事業部門主導のM&Aに、早期から知財部門が伴走
村田製作所の知財グループでは、具体的にどのようなM&Aの取り組みが進められているのか。谷野氏は「常に試行錯誤している」とした上で、「スタートアップの知財価値の算定方法などは、世の中にもスタンダードといえるものがなく、私たちも『これで正解』というものはまだ見出せていません。ただ、試行を重ねなければ正解に近づけない。本当にうまくいくのか、懸念と隣り合わせにありながらも、メンバー全員で取り組んでいるところです」と述べた。
同社のM&Aの流れとして、まず「どのようなところを買収するのか」「どこを補うのか、目的はなにか」を議論・検討する「戦略策定」のフェーズがある。ここでは、基本的に事業部門が主導で動き、かなり早い時期から経営企画部門が伴走する。そして、知財部門や人事・経理財務・環境部門などのスタッフが、できるだけ早い段階でプロセスに参画することがカギだという。