知財部門と経営企画部門の連携で、事業化と成長を支援
ここまで紹介した知財のDDおよび特許価値の算出をもとに、最終的なM&Aの判断は経営陣によって行われる。その際の基準となるのは、M&Aの目的が明確であること、そして「できそうかどうかの実現性=フィジビリティ」が高いこと、そして、事業を牽引する情熱が備わっているかどうかの3点だと谷野氏は考える。
決定フェーズのみにとどまらない、経営企画部門と知財部門の連携・情報共有は、同社では日頃から密に行われている。定期的に経営企画部門から知財部門へ、検討中も含めた出資およびM&A案件の状況リストが共有されるほか、知財部門から経営企画部門へは、IPランドスケープによるアライアンス候補先の評価結果を提供。さらには、M&A後も知財面からアライアンス先とのシナジーについて評価し、経営会議にて報告するなどといった情報提供も密に行っているという。