阪急阪神ホールディングスグループは、持続的な企業価値の向上を目指し「阪急阪神DXプロジェクト」に取り組むと発表した。
同プロジェクトは、同社が策定した「阪急阪神ホールディングスグループ長期ビジョン」における取り組みの一つ。今後、下記4つの取り組み方針に則った各種施策を展開し、グループ全体で連携して具体的な取り組みを推進するとしている。
1.顧客を「知る」取り組み
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グループ共通ID「HH cross ID」の導入
グループ共通ID「HH cross ID」を導入。これにより、顧客はグループの様々なサービスを1つのIDでシームレスに利用できる。また、同IDを通じて顧客データを統合し、当該データの蓄積・分析を行うことにより、ロイヤルカスタマーの拡大などを図る -
「データ分析ラボ」の活用
同IDを通じて蓄積される顧客データ(属性・サービス利用実績など)の統合・分析を行うため、東京大学と「データ分析ラボ」を設立。同ラボにて、現状の理解や問題把握を進める
2.顧客に「伝える」取り組み
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顧客とのつながりの強化
スマホアプリなどのデジタルツールを通じて、顧客接点を拡充していくとともに、交通広告などの既存媒体と組み合わせることで、告知効果の最大化に努める。具体的には、既存事業で開発済みのアプリに加え、同グループの様々なサービスの窓口として「HH cross TOWNS」の運用を開始。また、利用データを蓄積・分析することで、顧客にリアルのサービスを利用してもらうなど、顧客とのつながりの強化を図る
3.顧客が「デジタル時代の利便性」を享受できる取り組み
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無料Wi-Fiサービス「HH cross Wi-Fi」の展開エリア拡大
HH cross会員向けのサービスとして、一部の鉄道車両や駅・商業施設・ホテルなど沿線を中心に、無料Wi-Fiサービス「HH cross Wi-Fi」を展開。今後、展開エリアを順次拡大し、顧客の利便性向上を図る。また、複数の利用データを組み合わせることで、サービスの利用場所やシーンを分析し、新たな商品・サービスの開発につなげる -
メタバースの展開
メタバースにおける新しいサービスの展開に挑戦する。また、外部パートナーとの連携を進めながら、リアルで展開する物販・広告などのサービスをバーチャルにも取り入れた事業モデルを確立する -
動画配信プラットフォームの整備
同社グループが保有するプラットフォームを構築し、顧客の裾野拡大や動画の配信コストの内部化などを検討。配信にあたり、旅行などのコンテンツを充実させ、顧客満足度の向上を図る
4.同社のコンテンツを磨き上げる取り組み
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コンテンツの発掘・創出とその魅力度の向上
同社グループが保有する、これまで整理ができていなかったコンテンツについて、デジタル技術を活用しながら集約・蓄積するとともに、系統立てて整理し、アーカイブ化する。また、リアルで展開している事業をデジタルで展開することについても検討を進めていく