“小さい保守的な変化”が大きな変革を生む
「責任の分散を必要とする」適応課題の特徴
適応課題の分かりやすい例として、ハイフェッツ氏はパンデミックを挙げた。パンデミックの状況下、ある側面においては、決定権をもった人々が協調して判断を下し、人々の安全を守る必要があった。他方、あらゆる家庭や学校、大小様々な企業においては、パンデミックの中をどのように生き延び、繁栄していくかを各々で考え、適応していくことが求められた。
「パンデミックは、権威ある立場の人たちだけで解決できる問題ではなく、コミュニティの集合知が必要となります。解決するには、各家庭、学校、企業、政府といったそれぞれの環境における小さな適応が、数多く必要だからです」
適応課題の特徴のひとつとして、ハイフェッツ氏は「責任の分散を必要とする」ことを挙げる。特定の専門家や役職者に頼るのではなく、関わる人それぞれが適応していかなければ、解決できないのだ。