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経営変革の「思想」と「実装」

宇田川准教授と語る、組織の“慢性疾患”への処方箋「2onN」とは──他者との関係性で解消する適応課題

ゲスト:大和ライフネクスト株式会社 佐藤加奈氏、大友烈氏

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既存事業の成長鈍化と新規事業の必要性を理解しているものの

宇田川元一氏(以下、宇田川):「2onNアプローチ」を取り入れた施策を伺う前に、御社の事業状況について教えてください。

佐藤加奈氏(以下、佐藤):当社は不動産管理会社です。一番大きい事業がマンション管理事業で、そのほかにビル管理や、大友が手掛けるホテル事業などの新規事業もいくつかあります。

 マンション管理は、いわばストック型ビジネスで、お客様であるマンション管理組合から毎月定額の費用をいただき、日々の清掃や設備維持、管理組合運営のサポートや工事など維持修繕のコンサルティングを行っています。当社は「SUUMO AWARD 2022」においてマンション管理会社のスタッフホスピタリティ部門で最優秀賞を受賞するなど、お客様からパーソナルな対応力を評価いただいています。

 ビジネス誌の「マンション管理」の特集などでも指摘されているところですが、最近は管理組合が管理会社を選択する理由が変化してきています。以前は、コスト競争に陥りがちでした。しかし現在は、住民の高齢化による積立金不足、建物の老朽化に対する対応など、管理組合の課題に対して、解決策を提供する管理会社が選ばれるように時代が変化してきました。

宇田川:人口減少という大きなトレンドがあり、マンションも今までのようにどんどん増えるわけではない。施設も老朽化してきて管理に対する要求が高まる中、今まで通りのやり方では収益が圧迫されていく。そんな状況にあるわけですね。

大友烈氏(以下、大友):そうですね。当社の売上の比率は、マンション管理事業で約6割、ビルメンテナンス他事業で約4割となっています。今後は既存の不動産管理事業のみではなく、新規事業を生み出していくことが、会社の成長には必要であり、新規事業の立案などにも力を入れているところです。

宇田川:既存事業のやり方を変えつつ、新規事業もやっていかなければいけない。そのために組織変革の必要がある、という状況にあるわけですね。そんな中、大友さんのような課長向けに「2onN」を取り入れたプログラムを実施されたと聞きました。

佐藤:「マネジメントジャーニー」というプログラムを実施しています。初年度は大友ら課長を対象に行い、今年度は部長陣も対象にしています。全10回の内、初日のガイダンスと最終日の振り返り、7回目のクリティカルシンキングを目的としたセッション以外の6回、「2onN」を行っています。後半にご説明しますが、当社の役員・部長対象にも別の目的で「2onN」のアプローチを取り入れたプログラムを行っています。

佐藤加奈
大和ライフネクスト株式会社 人事部 部長 佐藤加奈氏

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やつづかえり(ヤツヅカエリ)

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