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データ活用型コラボレーションを提案するDomo

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 経営者が意思決定をおこなう時、いまだに各部門の長にデータを依頼しなければならない。しかもデータのフォーマットはばらばらで、それを統合・分析するだけで、膨大な時間と労力がかかる。オムニチュアを成功させたJosh Jamesが挑む第二の挑戦企業であるDomoは、こうした課題を解決しようとしている。本記事では、Domo日本法人代表取締役 水嶋ディノ氏に編集部が行ったインタビュー内容をお届けする。

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経営者はなぜデータを待たなければならないのか

経営者は、ビジネスデータを入手するためには待たなければならないと思い込まされている。全くふざけた話だ。(Domo 創業者、CEO兼会長 Josh James)

マーケティングのデータ解析などをおこなうオムニチュアで成功をおさめたJosh Jamesは、同社のCEOの時代から、こうした疑問をもっていた。そしてこの課題を解決するために立ち上げた会社が、Domoである。すでに評価額20億ドルの企業であり、もはやスタートアップとはいえないが、Josh Jamesとしての「第二の挑戦」ともいえる企業だ。

企業のトップやリーダーが、何らかの意思決定をおこなうとすれば、各部門の担当者から「数字」をかき集めなければならなず、そこからかき集めて、頭の中で整理して判断をおこなわなければならない。 ビッグデータやクラウドの時代にあっても、この「かき集めること」がいまだに大変な作業なのだ。Josh Jamesが以前CEOを務めたオムニチュアですら抱えていたこの課題を解決しようというのが、Domoである

ビジネスリーダーが抱えるデータに関する不満は、会社内のデータソースが分散しているとか、リアルタイムにアクセスできないとかです。このため経営者は全体像が把握できず、意思決定のスピードを上げることが出来ない。こうした状況の要因は、データが増え続けて、重要なデータが複雑化していることにあります。(ドーモ株式会社 代表取締役 水嶋ディノ)

こう語るのは、Domo日本法人の代表取締役の水嶋ディノ氏だ。水嶋氏もまた、オムニチュアが成功し、アドビが買収するまでのJosh James氏のビジネスに関わり、Domoに参画している。これまでは、日本では「スティルス(隠れた)モード」だったDomoを、これから日本市場で本格展開しようとしている。

ドーモ株式会社 代表取締役 水嶋ディノ

これまでのBIの限界とは

とはいえ、日本でも、20年以上、数多くのビジネスインテリジェンス(以下BI)の企業が市場を作ってきた。これらの企業との違いは何か?

現在、BIは2つの潮流があり、両方とも限界があると考えています。大手企業の統合型BIは、DWH(データウェアハウス)を中心にした構造で、時間も労力もコストもかかりすぎるので、IT部門に過度に依存してしまいます。
もう一つは、デスクトップ型のBIアプリケーションですが、これもデータサイエンティストやアナリスト向けで、経営者やビジネスリーダーが使うには複雑すぎるのです。
(ドーモ株式会社 代表取締役 水嶋ディノ)

今市場にあるBIは、古臭いUI/UXの前時代的なものか、新しいツールも複雑で専門的すぎる。Domoは、アナリストやデータサイエンティストやIT部門のエンジニアに頼らない、企業の経営者や事業開発などのビジネスリーダーが使うためのものであることを水嶋氏は強調する。

Domoの提案

「データ活用に必要な機能をひとつのプラットフォームに統合した唯一のクラウド型ソリューション」がDomoの提案だという。

Excelのような表計算、ERP、社内データベースやセールスフォースなどのクラウド、マーケティングツールなどの社内の様々なデータを、ユーザーが自在にアクセスできて、ひとつのブラウザの画面から分析できる。ただ、ここまでは、他のBIツールでも可能ではある。Domoはこうした分析データを、DomoBuzzというコラボレーション機能に統合している点が新しい。

データを見ながらのコラボレーションで、会議が変わる

利用シーンとしては、こんな感じだ。 スポーツクラブの経営者が、会員の急激な減少に気づいた。会員管理のデータから、あらかじめ設定しておいた退会リスクを超えるというアラートが生じたからだ。そこで担当役員が、DomoBuzzでコラボレーション会議に参加する。 データをドリルダウンしていくと特定地域の店舗の脱会率が高い。該当店舗のマネージャーとデータを参照しながら、設備の老朽化が原因ということがわかる。

DomoBuzzによる会議のポイントは、データを縦横無尽に見ながら、ソーシャル型のコミュニケーションにより、各メンバーとのやりとりが出来ることだ。 「メールと添付ファイル」によるコミュニケーションとは異なり、メンバー相互が、よりフランクにかつデータに基づく正確さで、意思決定をおこなう。会議のゴールイメージが、よりはっきりとしたものになっていくかもしれない。

データ戦略志向の先進企業が導入

これまで、日本では水面下で準備段階だったDomoであるが、すでにリクルートキャリア、ディー・エヌ・エー、Kaizen Platform、Book Liveといった企業が積極的に導入・活用している。こうした企業群に共通するのは、どこもスピードが早く、データ分析・活用をビジネスの中核に据えているという点だ。

たとえば電子書籍ストアの「Book Live!」では、約半数の社員がDomoを使い、データに基づく共通言語によって、経験や勘ではない客観的なマーケティング施策が出来る風土になったという。

Josh JamesのCEOとしての手腕は名高く、Amazonのジェフ・ベゾス、Salesforce.comのマークベニオフ、日本では楽天の三木谷氏といった有力者が投資をしている。 日本企業のコラボレーションや意思決定の風土が、こうしたソリューションによって変わっていくことを期待したい。

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この記事の著者

京部康男 (Biz/Zine編集部)(キョウベ ヤスオ)

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