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「イノベーターシップ」による事業創造

「データを駆使する経営の時代」にこそリーダーに求められる「未来を想起する力」

第5回:多摩大学大学院 萩原雅之 客員教授

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データドリブンな組織構築に向けて―「人材育成」をいかに行うのか

――最適化を進め、イノベーションの起点となる「気づき」を得るために、ビジネスリーダーとしてデータへの感性を高めるには、どのような方法があるのでしょうか。

人間がどのようなデータからヒラメキを得るのかCopyright 2014. Masashi Hagihara

萩原:
 感性は複合的なので、「これだけやれば」というものはないかもしれません。業務や市場に対する深い理解が必要でしょうし、社会に対する好奇心なども大切でしょう。それを踏まえた上で「データを読み解き、最適化やイノベーションにつなげる能力」なら、トレーニングや経験の積み重ねで一定強化できると考えています。

 私が客員教授として教鞭をとる多摩大学大学院MBAコースでは、ビジネスリーダーとしてのデータへの感性・スキル・視点といったものを身につけていただく「データマネジメントリテラシー」という講座を開設しています。

 その中のトレーニングの1つとして、発想の方向性を意図的に拡張するという手法があります。従来、リサーチの世界では、データが示す一般的な法則を捉える「induciton(帰納法)」が主流でしたが、イノベーティブな発想を得るためには、データが示す事象の原因にあたるものを説明のための仮説として考えていく「abduction(仮説形成法)」が有効と考えられています。思考の拡張を意図的に行うことで、顧客が自覚していない「ニーズや課題=インサイト」を見いだすことが重要なのです。もちろん、データへの感度が高まれば、日常生活からも多くの気づきを得ることができるでしょう。

 そして、当然ながらデータそのものを読む基本的な知識は必要です。得られたデータを何と比較するのか、どんな傾向があるのか、どんな指標でセグメント分けするのか。いわば当然のようですが、実は大変重要なポイントなのです。さらにもう少し学んでいただくなら、相関分析や回帰分析といった基本的な分析モデルを知っておいていただけると、データを見たときに「あの分析をすれば、こういう傾向がでるのでは?」と直感的に気づくことができるようになるでしょう。

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データドリブンな組織構築に向けて―「データ統合」をいかに行うのか

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