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縦型・ピラミッド型の組織をレイヤー構造に置き換える──『DXの思考法』西山圭太氏が語るDXの本質

Biz/Zine Day 2023 Winter レポート

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デジタルは「レイヤー構造」の発想で進化する

「レイヤー構造でDXを考えないと、“なんちゃってDX”になってしまいます」

 西山圭太氏は講演で、レイヤー構造での思考法の重要性をこう主張した。DXでは業界の垣根にとらわれずに変革を起こすことが重要だが、それに必要なのはレイヤー構造で考えることだというのだ。では、レイヤー構造とは何か。西山氏は、デジタルの発展の基底にある発想から「レイヤー」を次のように説明する。

 歴史を遡るとデジタルの発展は約80年前に始まっている。その当時は、人間の課題を解くことと、機械(コンピュータ)に何かを理解させることには大きな隔たりがあった。その隔たりを埋めるため次のような段階をたどってきた。まずは機械に情報を入力するために0と1で表記する機械語でプログラムを書き、コンピュータに読み込ませる段階だ。それが進化してハードウェア中心だったコンピュータをソフトウェアで制御しようという段階があり、さらにOSでパソコンの種類、メーカーが違っても同じアプリケーションが使えるようになる段階があった。その後、インターネットで多くの知を結びつける段階があり、現在はAIが開発される段階になっている。つまり、デジタル化は、コンピュータと人間の間を、レイヤーを重ねることで結びつけて発展してきた歴史があると言えるのだ。

デジタル化のかたち①
クリックすると拡大します

 このレイヤーで考える進化の原動力は、「こうすれば一気に解決するのではないか」「一見違うように見える課題も共通の仕掛けで解けるのではないか」という発想だ。個々の課題を個別に解決するための進化ではない。

 これをラーメン作りにたとえると、「○○屋特製××ラーメン」「スペシャル豚骨醤油ラーメン」といった特定の店舗にある特定の種類のラーメンをどう作るのか考えるのではなく、麺の硬さ・脂っこさ・トッピング・スープの種類と分け、それぞれのパラメータを設定することで、あらゆるラーメンができかもしれないと考えることが、レイヤー構造で考えるということだ。

 こういったレイヤー構造を大括りで表現すれば、「計算処理基盤」と「データ解析」の2つにまとめられる。「計算処理基盤」は半導体を使って高速で計算したり大量のデータを記憶したりする仕掛けであり、「データ解析」はIoTなどを使って読み込んだデータをAIなどで解析し、ソリューションを得るというものだ。

デジタル化のかたち②
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フェリックス清香(フェリックスサヤカ)

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