NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)、静岡県裾野市(以下、裾野市)、スタンレー電気、加賀FEI、ダッソー・システムズは、スマート道路灯を活用し、路面凍結による交通事故削減に向けた実証実験を2月より開始した。
都市が抱える様々な社会課題の解決と人々の暮らしの安全安心に寄与する取り組みの一環として、裾野市の協力の下、リアルフィールドにて、車のスリップ事故や歩行者の転倒防止効果に関する検証を行うという。
スタンレー電気と加賀FEI、NTT Com、ダッソー・システムズ(以下、4社)は、交通渋滞や事故など交通インフラにおける課題解決に向け、各社のアセットを集結したスマート道路灯を開発。同スマート道路灯は従来の道路照明灯とは異なり、灯具機能に加え、エッジAIカメラや環境センサー、路面描画装置を搭載している。常時、ネットワークに接続しているため、交通状態の把握・予測が可能となり、交通事故防止・削減に貢献できるほか、道路照明灯の故障、不点灯などの常時監視の省力化も期待できるとしている。
同実証では、裾野市石脇柳端橋の道路照明灯にスマート道路灯路面描画装置を設置し、路面に「凍結注意」という文字を描画。また、スマート道路灯路面描画装置に搭載したエッジAIカメラや環境センサーからモバイル通信でデータを収集、蓄積して分析するという。
実証の概要は以下のとおり。
- 期間:2023年2月15日~3月31日
- 場所:裾野市石脇柳端橋
- 検証内容:柳端橋に2台のスマート道路灯路面描画装置を設置。路面凍結箇所手前に「凍結注意」を描画することにより、ドライバーへの注意喚起および減速を促す
- 効果検証方法:スマート道路灯路面描画装置の設置前後におけるスリップ事故報告数の確認、住民へのアンケートによる意識変化の有無の確認
4社は今後、他の自治体への展開を進めるとともに、道路照明灯の少ない新興国でのスマート道路灯の普及を図る。また、収集データを気象データなどと組み合わせることで、降雪による渋滞予測情報の提示など、ドライバーに対して天候状況を踏まえた適切な情報提供を可能にし、道路管理者や交通管理者の業務を支援するとしている。