「第三の敗戦」を克服するための安定的な資金供給
琴坂:現在の日本は「日本株式会社」の時代を卒業し、イノベーションを支援する新しい枠組みを真剣に考えるタイミングです。その一環としてベンチャー・ファイナンスも拡大する必要があります。銀行に眠っている大量のお金が健全に融資に回される状態に、日本を戻さなければなりません。
高度経済成長期の日本の銀行にはお金が残っていませんでした。今では絶対にありえないような攻めた融資を、バンカーが気合いと胆力で熱狂的な稟議を書いて、関係者を説得して回り、それを実現するというあるべき姿がありました。内部統制、ガバナンス、レギュレーションなど諸々の事情によって難しくはなっていますが、VCなどとの協業から目利き力を再び獲得して融資する総量を増やし、リスクコントロールはポートフォリオで担保する。そうすることでイノベーションを継続的にもたらしてほしいですね。