ルクセンブルクがフィンテックハブとして機能する理由、国内外のフィンテック動向
ルクセンブルクからは、ピエール・グラメーニヤ財務大臣が基調講演に登壇、同国のユーロ圏屈指のICTインフラ、人材の多様性(人口の45%が外国人)などをアピールするとともに、今後、フィンテックは金融界のみならず、21世紀のビジネスモデルを変えていくレイヤーの技術になるとの見方を示した。
続いてルクセンブルク・フォー・ファイナンス副CEOトム・テオバルド氏が、ルクセンブルクのフィンテック環境を概説した。同国はユーロ圏第1位の金融センターで、米国に次ぐ世界第2位の投資ファンド規模を誇る。欧州大陸の中心に位置する立地から、クロスボーダー金融サービスに強い金融エコシステムが整っている。規制当局のイノベーションに対する姿勢もオープンで、世界中から金融系スタートアップが集まっているという。
フィンテック支援企業finovationのCo-Founder and Director、ナタリー志織フレミング氏は、日本のフィンテック市場を米国・欧州と比較。市場規模では日本は米国の約4分の1、EUの約5分の1で、規制対応も遅れている。米国はスタートアップ環境が充実しており資金調達もしやすい一方、競合も多く戦うには厳しい市場であり、連邦・州レベルの規制への二重の対応に手間がかかる。EUは地域全体で1%成長を遂げており、規制が統一されている反面、各国ごとのローカライズはやはり必要となる。
フレミング氏は、昨年11月に「フィンテック・ミートアップ・トウキョウ」を仲間とともに立ち上げ、日本のフィンテックコミュニティを応援するエコシステム作りに取り組む。
日本のフィンテック業界はアーリーステージでまだ小規模のスタートアップが多いのですが、当局や金融機関の支援が増えており、特に今年に入ってからすごい勢いで広がりつつあり、認知度も上がっている。ほとんどのフィンテックサービスは利益率が少なく、規模をとって儲ける仕組みのものが多いので、日本だけでなく、グローバルで活用できるサービスを作っていただけたらいいなと思います。