日本アイ・ビー・エム(以下、日本IBM)は、人的資本経営に取り組む企業向けに、構想策定、開示、価値向上施策実行、モニタリングまで包括的に提供する「人的資本経営コンサルティング包括サービス」を発表した。
人的資本経営コンサルティング包括サービスは、IBM自社の変革経験と、企業の組織・人材変革を推進して得た知見を通じて確立した方法論をベースにしているという。単なる数値の公表ではなく、経営・人事戦略をもとに「価値向上ストーリー」を練り上げ、適切な情報を開示することで、投資家を含むステークホルダーとの関係性強化を図るとしている。また、適時・公平・継続した情報提供を通じた企業価値向上のために必要となる、グローバル人材データベースや人材育成プラットフォームの整備・運用、KPIレポート作成など、顧客のニーズが高い領域を網羅した包括的なサービス体系になっているという。
具体的には、まず約3ヵ月の「構想策定フェーズ」で自社の強みや他社比較、投資家視点や人事施策を整理し、続いて約2ヵ月の「開示フェーズ」で価値向上ストーリー詳細化、開示項目抽出と優先順位付け、不足情報収集対応を整理する。
企業価値向上施策については、「施策実施フェーズ」で、実行計画策定、施策実行、社内展開、状況評価まで実施。その後「モニタリングフェーズ」にて、状況確認、施策見直し、開示業務の効率化を推進するという。同サービスは、「構想策定フェーズ」から順に実施したり、「開示フェーズ」以降の必要なフェーズから実施するなど、状況に応じて選べるとしている。
それぞれのフェーズの内容は、以下のとおり。
- 構想策定:自社・競合の現状把握と投資家の評価の視点をもとにポジショニングし、人財戦略におけるありたい姿(仮説)をもとに、アセットを活用しながら効率的・効果的に価値向上ストーリーを作成
- 開示:価値向上ストーリーから開示項目を抽出し、経営戦略と紐づいた開示項目の優先順位付け、継続的なモニタリング、不足情報の対応を整理
- 価値向上施策:サステナビリティや人事業の価値創出の源泉である人財戦略、人財マネジメントなど、経営理念と紐づいた施策を立案
- モニタリング:月次、年次で情報を整理し状況を確認、開示ストーリーや施策の見直しや開示業務の効率化を実施