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経営戦略としてのCVC

なぜ大企業によるCVCが急増しているのか──投資から協業に踏み込む“狙い”とは

第1回

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CVCは財務リターンよりもシナジー創出を目指している

 では、なぜこれほどにCVC活動が加速しているのでしょうか。実は、事業会社の多くはCVC活動と並行して、スタートアップ投資の専門家であるVCに対してリミテッド・パートナー(LP)と呼ばれる投資家の立場で、出資(LP出資)を行っています。「Japan CVC Survey 2022」では、CVCに取り組む企業の6割超がVCへの出資実績を持っていることが明らかになっています。つまり、スタートアップ業界の専門家と組んで、自らの資金を運用してもらっているということです。

FIRST CVC作成
クリックすると拡大します

 一方、その呼称に含まれるようにCVC活動とは、スタートアップに投資して高いリターンを上げるVCという投資運用業に類似した活動を、コーポレート、つまり事業会社自身が主体となって行うというものです。日本の事業会社たちはVCを通じてスタートアップに投資する一方、自らもCVC組織を設立し、直接スタートアップ投資に乗り出しているということになります。これはなぜなのでしょうか。

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この記事の著者

山田 一慶(やまだ かずよし)

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