大企業のデザイン組織こそ「R&D的なデザイン」に取り組むべきだ
岩嵜:この連載を通じてフォーカスを当てたいトピックの一つが「大企業ならではのデザイン組織のあり方」なんです。デザインの世界では、スタートアップやメガベンチャーに注目が集まりがちですが、R&D的な先行開発や未来構想は、企業体力のある大企業だからこそ取り組みやすい領域だと思います。デザイン本部が、プロダクト開発からコミュニケーションやR&Dに領域を拡張していくプロセスは「大企業ならではのデザイン」そのものだと感じました。
木村:私たちがデザイン変革に取り組んだ動機は、経営やプロダクト開発において長期的な視点を獲得するためでした。以前は、足元の課題や環境変化に追われて、散発的に施策に取り組む状態が続いていたので。その意味では、R&D的な先行開発や未来構想は、当初からの目的ではありました。