従業員体験だけでなく、顧客体験も。サービス提供に活用できる“攻めの新機能”
ここまで、従業員体験(EX)をいかに向上させるかという視点での話がされてきたが、後半では顧客体験(CX)の向上がテーマとなった。
ハシーム氏は、顧客対応スタッフが家にいたりオフィスにいたりと分散している昨今の状況が、シームレスでパーソナライズされたカスタマーサービスを期待する顧客にフラストレーションを与える可能性があると指摘する。そこで役立つのが、「Zoom Contact Center」だ。
Zoomコンタクトセンターでは、過去18ヵ月以内に600以上の機能がローンチしており、これだけで顧客対応のすべてが賄えるという。また、AIチャットボットの「Zoom Virtual Agent」により、モバイルやWebでのサポートも可能だ。顧客対応スタッフのコーチングや人員の配置予測なども、Zoomプラットフォーム上で行うことができる。拡張性もセキュリティも高いため、企業規模にかかわらず多くの会社がZoomプラットフォームでCXの課題を解決しているという。
その一例として、MLB(メジャーリーグベースボール)での活用事例が紹介された。Zoomとメジャーリーグの配信サービスであるMLB TVが、顧客エンゲージメントを高めるためにパートナーシップを組んだのである。
ゲストとして登壇したMLBのChief Information Security Officerであるネル・ボーランド氏は、Zoom Contact Centerを通じてファンが真に望む情報を提供するなど、同社の顧客エンゲージメント向上への挑戦を語った。同社ではZoom Eventを使ったドラフト会議も実現している。アメリカ中の野球関係者が一箇所に集まらずとも、30チームが参加する会議の開催に成功したのだ。
次に登場したZoomのHead of AI Products and Revenue Accelaratorを務めるマヘシュ・ラム氏は、今年1月にローンチしたZoom Virtual Agentが、2024年にはWhatAppやMessengerとも統合できるようになることを発表した。顧客が望むチャネルを自由に選べるようになるという。
また、顧客が過去にチャットや通話でやり取りした内容が次に対応する担当者に引き継がれる機能も実装されると明らかにした。これにより、同じことを何度も繰り返すことによる顧客のフラストレーションを軽減し、スーパーバイザーが教育に活用することでスタッフの質の向上、ひいては顧客体験の向上も期待できる。
加えて、顧客向けにリアルとオンラインを組み合わせたハイブリッドなイベントを開催する際には、「Zoom Events」が利用できる。メールでの告知からイベント当日の受付、イベント開催中のチャット対応やアフターフォロー、クロージングまで、すべてZoomプラットフォーム上でできるのである。