良い分析には現場の知見が不可欠
データを活用すれば、長年培ってきた業界やビジネスの勘や経験、アイデアを支える、強力で再現性のある統計的・科学的予測モデルを作ることができる。渋谷氏は入社してすぐ、データを活用したマーケティングの魅力を社内でアピールすべく、Suicaのデータを使って簡単な予測モデルを作成した。すると、わずか6つの説明変数でかなり精度の高い予測を実現できたという。これを社内で共有したところ、予測モデルをさらに活用したいという機運が高まってきたと当時を振り返る。
そうして予測モデルを作る取り組みが社内で始まったものの、いきなり自分たちの力だけでデータ分析はできない。そこで、まずはアイデアを掘り出すことに重点を置いた。渋谷氏のチームは、実際の現場へ行き「そもそもどういった課題を解決したいのか」「何を予測したいのか」という現場のニーズを探った。