2026年7月22日、JX通信社とResilireは、製造業のサプライチェーンマネジメント(SCM)業務従事者532名を対象に実施した「サプライチェーンリスクに関する実態調査2026」の結果を発表した。本調査ではサプライチェーン全体の把握状況やリスク対策、初動対応の現状が明らかとなった。
まず、サプライチェーン全体、すなわちTier3(三次取引先)以降まで「ほぼ把握できている」とした製造業は25.0%にとどまり、残る75.0%は部分的把握または未把握であることが判明した。特に「Tier1(直接取引先)のみ把握」あるいは「範囲すら分からない」とする“Tier2以下のブラックボックス化”は44.5%(237人)にのぼり、上流のリスクの未把握が深刻である実態が明らかになった。
回答者の70.5%が「サプライチェーン寸断」を経験しており、その多くが「特定サプライヤーへの依存」「Tier2以降が見えずリスク把握できない」ことを自社最大のリスクとして認識している。「代替調達先の確保や分散調達ができていない」(55.6%)、「特定サプライヤー依存度が高く代替が効かない」(44.4%)、「Tier2以降が見えない」(27.0%)等、BCPにおける課題が浮き彫りとなった。一方、未経験企業では「わからない」(20.4%)、「特に盲点・弱点はない」(17.8%)との回答が目立ち、寸断経験の有無で危機認識に差がみられた。
被害発生時の影響範囲特定については、「1時間以内」「当日中」を合わせた「当日以内」で特定したいとする企業が43.8%だったが、実際に当日以内で対応できた企業は35.2%にとどまった。希望する初動スピードと現実の間にギャップが存在し、初動対応体制の強化が求められる。
また、今後の対策として外部に最も期待する支援は「Tier2以降のサプライヤーの可視化・マッピング」で38.7%にのぼり、依然として情報の把握と共有が十分に進んでいない現状が示された。また「代替調達先確保」(33.1%)「リスクのリアルタイム監視」(30.8%)等も挙がっている。

これらの調査結果を踏まえ、JX通信社とResilireは、調査詳細とサプライチェーンリスクに備えるための対応策をまとめた特別レポート「BCP虎の巻 SCM編」の無料公開を開始した。併せて、本レポートをテーマにしたウェビナーも8月31日に開催予定である。
本調査は2026年6月12日〜13日にインターネットで実施されたもので、有効回答数は532件(うちサプライチェーン寸断経験者375件)となっている。
企業変革や新規事業の立ち上げを担う経営企画部門にとっては、サプライチェーン上流の可視化や初動対応スピードの強化、分散調達の仕組み構築が今後の重要課題となる。
【関連記事】
・オラクル、「Fusion Agentic Applications」などサプライチェーン系AI強化
・インド化学品サプライチェーン、3潮流でレジリエンス強化へ──A.T.カーニーが論考
・NEC、AI前提の製造業変革コンセプト「MX」を発表 5つのバリューチェーン×AIエージェント
