2026年7月22日、PwCコンサルティングは、フィジカルAI領域における専門人材育成プログラムを本格始動したと発表した。今後1年間で1,000人規模への拡大を目指し、社内の全対象部門に順次展開する方針である。
本プログラムは、テクノロジーの社会実装と産官学連携を主導する「Technology Laboratory」が中心となって企画・運営する。PwCコンサルティングが蓄積してきたDXやロボティクス、自動化分野の実績と、アカデミアと連携した経営人材育成講座から得た知見を活かし、テクノロジーとビジネスの両方に精通する人材を戦略的に育成する。
近年、生成AIや基盤モデルなど高度なAI技術がロボットやドローン、自動運転車に統合され、現実世界で人やモノを自律的に制御する「フィジカルAI」が急速に普及し始めている。日本では労働人口の減少が顕著な中、製造や物流、建設、医療、インフラ保守、農業など各業界でフィジカルAIの導入が社会課題解決や生産性向上、新サービス創出の鍵になると注目されている。政府も2026年に公表したAIロボティクス戦略で、フィジカルAIを国家戦略の中核技術と位置付けるなど取り組みを強化している。
一方、フィジカルAIを現場実装し、その価値をビジネス成果につなげられる人材、すなわちAIやロボティクス技術とビジネス・経営を融合して成果創出をリードできる人材は国内で希少との課題があった。PwCコンサルティングはこの人材不足が日本企業の変革における主要な障壁であると認識し、本プログラムの始動に踏み切った。
同社のTechnology Laboratoryは過去に、千葉工業大学未来ロボット技術研究センターと共同開講した「ロボティクス経営道場」や、東京大学松尾・岩澤研究室と取り組む「東京大学 AI経営寄付講座」など、技術とビジネス両面の人材育成で実績を持つ。ロボティクス経営道場の修了者の約3分の1がスタートアップを設立、東京大学 AI経営寄付講座の受講者は2026年に1.4万人に達した。
現在、Technology Laboratoryを中心に150人超のフィジカルAI人材を擁し、今後は全社規模での人材拡充を進める。本プログラムではフィジカルAIの基礎技術講座、AIモデルやロボット、センサー、制御、データ活用の実践演習、具体的な現場課題の分析、事業構想策定のワークショップなどを体系的に提供。実機操作やプログラミング演習も組み込むことで、理論と現場実装の双方から理解を深める。これにより、概念実証(PoC)に留まらず実環境での検証と運用定着を見据えたDevOpsの実践知が習得できる体制を目指す。
PwCコンサルティングはフィジカルAI人材育成を通じて、日本企業のフィジカルAI導入、産業の競争力強化と社会変革の推進に貢献する方針である。
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