2026年7月27日、花王は「花王AIガバナンス方針」を策定し、公式ウェブサイトで公開した。これは、グローバルでの安全かつ責任あるAI活用を推進する目的で、新たな経営指針として運用するものだ。
花王は、AIを事業変革や価値創出を支える重要な技術と捉え、製品やサービスの改善、業務効率化、生産性向上など、事業全体でデジタル技術の活用を積極的に進めている。しかし、AIの活用にあたっては人権や公平性、プライバシー、セキュリティ、透明性といった社会的責任の重要性が増している。AI利用が企業活動全体に広がる中で、企業としての基本姿勢を明確にする必要が高まっていた。
「花王AIガバナンス方針」は、「The Kao Way」の価値観「正道を歩む」に基づき、倫理的な行動と法令遵守を基本原則としている。AIを人の強みを広げるパートナーと位置づけ、リスク抑制と価値創出の両立を目指す。その具体的な柱は以下の6点である。
1. 人権の尊重と公平性:AI設計から運用まで倫理性と公平性を確保し、「花王人権方針」に則って多様性や人権を尊重。不当な差別や人権侵害がないよう努め、問題発生時は適切な対応を行う。
2. 法令遵守と権利保護:AI活用に際し関連法令やガイドラインを遵守。第三者の権利侵害リスクに対して、人による確認プロセスを設けてリスク低減に努める。
3. プライバシー権の尊重:個人情報やプライバシー保護法、社内規程を遵守。AIシステムで扱う情報について管理・制限し、適切なセキュリティ措置を講じる。
4. AIのセキュリティ:AIシステムの脆弱性や外部攻撃への対策を強化し、信頼性確保に努める。外部サービス利用時も社内手続きや継続的な更新を徹底する。
5. 責任あるAI活用:AIのバイアスや出力結果の問題点を認識し、人とAIによる相互チェックを実施。外部パートナーにも法的・倫理的基準の遵守を求める。AIによる意思決定には必ず人間が関与し、花王は説明責任を果たす立場を明示している。
6. AIの透明性:AI判断結果の説明可能性確保に取り組み、外部事業者ともガバナンスを共有。結果の透明性と品質担保に注力する。
今後、花王は社内規程の整備とガバナンス体制の構築を進めていく。2026年7月からは国内グループ社員に向けてAI適正利用に関する教育を開始し、順次グローバルへ拡大する方針だ。また、AIを取り巻く環境や技術進展に応じ、ガバナンス基準や運用方針の見直しを継続的に実施し、持続的な安全性と責任あるAI活用を図っていくとしている。
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