KDDIは2026年11月6日、2027年3月期の上期(第2四半期累計)決算概要を発表した。売上高はモバイル通信料収入のオーガニック成長やビジネスグロース領域の拡大に牽引され、前年同期比4.7%増の3兆528億円となった。利益面では、イーオンやmenuに関する減損損失などの一時的要因を除いた調整後営業利益が6,331億円(同13.9%増)、親会社の所有者に帰属する調整後当期利益が3,900億円(同13.6%増)と2桁増益を達成。通期予想に対する進捗率は売上高47.6%、調整後営業利益52.3%と、期初計画を上回る順調なペースで進捗している。なお、中間配当は前年同期比2円増配(同5.0%増)となる1株当たり42円とした。
上期のセグメント別売上高では、基盤となる「テレコムコア」が解約率低減による契約数増や上位プラン浸透により、前年同期比3.1%増の2兆2,010億円と堅調に推移した。成長領域である「パーソナルグロース」は、デバイス関連やローソン連携・Pontaパスの拡大、金融・エネルギーの主要KPI進展を背景に3,309億円(同8.3%増)を計上。「ビジネスグロース」は、AIインテグレーションやデータセンター(海外コネクティビティDC)などの高成長が寄与し、1,247億円(同10.2%増)と力強い伸びを示した。
セグメント別の調整後営業利益・各段階利益については、「テレコムコア」がモバイル通信収入の回復およびLTV重視のコスト構造変革が奏功し、前年同期比16.7%増(+624億円)の4,359億円と大幅に伸長した。また、「パーソナルグロース」は金融での評価損やエネルギーの期ずれ影響があったものの、デバイス関連の好調などにより1,149億円(同3.7%増)を確保。「ビジネスグロース」もAIインテグレーションやコネクティビティDCの伸長により398億円(同18.8%増、+63億円)となった。IFRSベースの実績では、イーオン減損(▲557億円)やmenu減損(▲127億円)などを計上した結果、営業利益は5,593億円(同43億円増)、親会社所有者帰属当期利益は3,633億円(同34億円増)となったが、これらは主にノンキャッシュの一時損益であり、将来のキャッシュ創出力には影響がないとしている。
トピックスとしては、中長期計画「Power-to-Connect 2028」に基づくAI・先端インフラの実装を加速させている。AI時代のデータセンター戦略として、英ロンドンでの既存キャンパス隣接地確保(受電容量倍増へ向けた用地取得)によるコネクティビティDCの拡張を進めるほか、大阪堺を「AI実装の発進基地」と位置づけ、次世代GPU「Rubin」の早期導入や新会社「ELYZA Robotics」の設立を発表した。
さらに、米SpaceX社との連携深化による次世代衛星通信「Starlink Mobile V2」(2027年内提供目標)の契約締結や、ドローン物流・点検の実証・社会実装を推進。加えて、上期中にライフネット生命やLoco Partners、Gunosyなど計13件・約1,500億円規模の事業ポートフォリオ見直し(ダイベストメント)を実施し、成長投資に向けた資本効率の最適化を図っている。
2027年3月期の通期連結業績については、上期の堅調な進捗と楽天ローミング収入の下期以降の顕在化を見込む一方、将来成長に向けた先行投資やチャネル強化を機動的に進める方針。調整後ベースでの期初公表計画(売上高6兆4,100億円、調整後営業利益1兆2,100億円水準)を視野に高成長の維持を目指す。配当に関しては中間配当42円を実施し、期末配当については業績および事業環境を見極めて決定する方針を示している。
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