5ステップ/2日間のプログラム 各取り組みを振り返る
全国各地の事業所から参加者が集まるため、プログラムの1日目はアイスブレイクを起点に、心理的安全性を高めるためにお互いを知るところから始めた。そして2日目にはアイデアの共創を深め、プレゼンテーションで共有するところまでを行った。
古谷氏は、プログラム内の各ステップの内容と、ステップごとに留意した点を紹介しながら、実際の経過や成果を振り返った。
【STEP0】アイデアソンの意義を理解・共感
開催前に、話したことがないであろう人、業務での関わりがない人同士を意図的に同じグループとして組成。パートナーの紹介や開催趣旨、目的の共有を行い、2日間の流れを伝えた。
【STEP1】アイスブレイク
まずペアワークで自己紹介を行い、その後、ペアになった相手について他の参加者に紹介するという方法で相互理解を深めた。
【STEP2】相互理解
宿題としていた「自分が解決したい社内のDX課題」を発表し、その中で互いの業務内容や課題感を共有した。また、グループディスカッションで所属を越えて悩みや課題の共通点を探っていった。
古谷氏は、「所属や技術も多種多様で、お互いに悩みや課題が共有できない懸念はあったが、いざやってみると、『お互い違うように見えて根っこの課題は同じではないか』『これは一緒に解決できることではないか』といった気づきがあった」と語る。また、参加者側としても入っていた山口氏は、「最初から最後まで盛り上がっていた印象。それぞれの拠点で孤独感があったメンバーが共通の課題を認識し、共有できたことで、棚卸しが進み解決へ意欲的になったように感じる」と評した。
【STEP3】アイディエーション
テーマに沿ってアイデアや課題のキーワードを出し、さらに簡単な発想法として、「互いのアイデアを掛け合わす」シートを用いて能動的にアイデアを出し合った。
課題を解決するための新しいアイデアを求められても、なかなか自分の範囲から飛び出せなかったり、積み上げ式の課題解決にしかならなかったりということが多い。そこでステップ3では、一見関係のなさそうな他の人のキーワードを取り入れてみるという、飛躍的かつ能動的にアイデアをつくる体験をしてもらったという。これにより、「もっと気軽にアイデアを考えていいのだ」とハードルを下げることができたと古谷氏は語る。
【STEP4】生成AIインプット/掛け算発想・グルーピング
2日目はまず、インキュデータで外部講師なども務めるメンバーが、生成AIに関するミニセミナーを実施。ICT本部ということで関心度も高く、ワークに取り組むための情報として役立つ内容となった。その後、グループで1日目に実施した「アイデアの発想法」を用いて、アイデアをつくるというワークを行った。
【STEP5】発表・ロール・プレイング
アイデアをブラッシュアップし、それがなぜ、どのように役立つのか、関係する人の視点に立ってそれぞれの立場を検証しながらロール・プレイングを実施した。
山口氏は、「最後にロール・プレイングをすると伝えられていたため、チームでしっかりとコミュニケーションをとる必要性を感じ、結果として一体感が生まれた。アイデアを一方的に出すのではなく、さまざまな立場になって検証するところまで体感でき、良いステップを踏めたと感じている」と評した。