なぜ優秀な人を多く抱える企業の未来予測はあたらないのか?
本書をなぜ手にとったのか。それは、ビジネスパーソンが関心を持てる「テクノロジー領域」とは何か。そして、どのような「切り口」かを知ることです。その意味で多くのヒントを本書から得ることが出来ました。コラムのまとめとして、今後のビジネスを考えるうえで重要な内容が書かれた部分を紹介します。
2009年に大手調査会社のガートナーグループが発表した、ある予測に関して書かれた部分を引用してみたいと思います。
2012年までに、モバイル端末用のOS市場ではシンビアンが39%のシェアを握って(出荷台数の予測は2億300万台)トップに踊り出るだろうという内容だった。そしてシンビアンがこのトップの座を2014年まで守ると考えたのである。さらにガートナーは同じレポートで、同市場でのアンドロイドのシェアは14.5パーセントにしか達しないと予想した。
この予測以外にも、多くの予測が「当たらなかった事実」、予測の提供元は世界の優秀な人材を集めた素晴らしい企業ばかりだということ。
このことが意味するのは、「未来予測」をするのではなく、未来の変化に大きな影響を与える潮流を、テクノロジーの進化を軸に考える。その変化の文脈を理解したうえで、自身の所属する企業、自身の働き方をどのようにしていくべきなのか。
本書はそんな視点で重要なヒントを、多くのビジネスパーソンに与えてくれるはずです。