住友化学は、国内6工場における設備管理体制を刷新したと発表した。設備管理システムを共通化し、予算・購買データなどを管理する基幹業務システム(以下、ERP)と連携させることで、メンテナンスに関わる幅広い業務の一元管理と、設備導入から廃棄までの“ヒト・モノ・カネ”のデータ蓄積が可能になるという。
新システムでは、ERPとの連携により、メンテナンス工事の計画から購買発注、施工までシームレスな業務管理を実現。情報共有や履歴検索を効率化し、設備管理担当者の業務全体の約7割に当たるデスクワークを対象に負荷低減を達成するという。また、データ蓄積・参照が容易になったことで工場・プラント単位の故障リスクや保全コストをリアルタイムに把握でき、短期的にはトラブルシューティングや保全計画の軌道修正、中長期的にはデータに基づく適切な投資判断へ結び付けることができる環境が整ったとしている。
同社は今後、新システムへ新たに連携されるエンジニアリングデータや運転データなど、広範な情報をビッグデータとして活用し、設備トラブルの予知・回避を含めた「スマート設備管理」の早期実現を図る。これら保全計画最適化の効果を含めて、数年内に保全コストの約3割の削減を目指すという。