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東京ガスがエネルギーからソリューションへ舵を切る理由──巨大な組織を変える、伴走型支援者の存在とは?

ゲスト:東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 門正之氏、株式会社プレイド 社内起業組織STUDIO ZERO 藤原直彦氏

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ガスだけから電気も、そしてソリューションまで提供する会社へ

吉田満梨氏(以下、吉田):まずは、東京ガス時代から現在に至るまでの門さんの取り組みについてお聞かせください。

門正之氏(以下、門):私は2024年3月まで東京ガスの家庭用営業部門に所属していました。

 東京ガスは「ガスをお届けする会社」として広く認識されていますが、2016年の電力小売全面自由化を契機に家庭用の電気事業も開始しました。そして、太陽光発電や蓄電池といった電気関連の機器販売、電気・ガス設備を活用したソリューション提供にも取り組んでいます。人口減少と省エネの進展により日本全体のエネルギー需要が減少していくなか、電気の減少は緩やかです。また、使う際に差異を感じにくいエネルギーと違って、サービスやソリューションでは差別化を図ることができます。

 そこで、着目したのが「電気関連のソリューション」です。たとえば、単にエネルギーを売るのではなく、むしろその逆の省エネのソリューションを提供するという発想です。直近の三年間は、家庭用営業部門にてこういったプロジェクトに取り組んでいました。

門正之
東京ガスエンジニアリングソリューションズ株式会社 取締役 専務執行役員 CDO 門正之氏

吉田:では、現在の門さんの取り組みについてもお聞かせください。

:現在、私がCDOを務めている東京ガスエンジニアリングソリューションズ(以下、TGES)は、法人様向けに様々なソリューションを提供しております。顧客は大手メーカー様から街の飲食店様まで多岐にわたりますが、基本的な考え方は家庭用営業と同じです。TGESがガスだけでなく再生可能エネルギーや電気も、そしてそれらをサービスとしても提供できることを法人顧客に認識してもらうことが重要です。

 CDOとしての4月からの新しいチャレンジは、デジタル技術を活用してソリューションや顧客とのコミュニケーションを充実させ、人員を増やさずに売上や利益を増やすことです。

 法人営業部門では2000年頃から電力自由化が進んでおり、家庭用に比べて長い期間、取り組みを行ってきていますが、これまでは個別の需要に応える形で発展してきたため、サービスラインナップ全体の設計ができておらず、同じような取り組みが各所で行われたり、特定の顧客にしか通用しないソリューションが生まれたりしています。

 逆に家庭用営業部門では短期間で取り組む必要があったため、システマティックに進めることができました。その視点を法人営業部門に持ち込むことが、CDOとしての私のミッションです。

吉田:ありがとうございます。では次に、藤原さんからも自己紹介と現在の取り組みについてお話しいただけますか。

藤原直彦氏(以下、藤原):2000年に東京ガスに入社し、研究や家庭向け商材の開発、企画、新規事業開発などに携わってきました。家庭向け商品の企画時や新規事業開発の際には門さんとご一緒させていただきました。直近3年間は法人営業部門の人事を担当していました。そして2023年4月に株式会社プレイドに転職しました。

 プレイドは「KARTE」というSaaSプロダクトを提供しています。KARTEは大手ECや銀行、東京ガスのホームページや会員サイト「myTOKYOGAS」でも利用されている、各顧客のウェブ上での行動をトラッキングし、個々に合ったマーケティングやおすすめ商品をレコメンドするなど様々なアクションが可能なプロダクトです。

 また、「STUDIO ZERO」という私が所属している組織では、異なるアプローチのサービスを提供しています。大企業における新規事業の伴走支援、既存事業の伴走支援、人材育成と組織開発の3つを中心にしながらも、こうしたサービスを自治体や物流業界向けにも行っています。今回は新規事業の伴走支援をしながら、人材育成を行う、というプロジェクトになりました。

藤原直彦
株式会社プレイド 「STUDIO ZERO」 Vice President 藤原直彦氏

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この記事の著者

雨宮 進(アメミヤ ススム)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社プレイド

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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