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イノベーション迷子に贈るグラフィックガイド

「“とりあえず”始めて“とりあえず”終わらせていない新規事業プロジェクト」を生まない2つの方法

第2回

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覚悟のある担当者とそれに呼応するリーダーがいないと始まらない

 ここまで「とりあえず始めた」「とりあえず終わらせていない」プロジェクトの話をしてきました。身も蓋もない話ですが、プロジェクトが少しでも前に進むために重要なのは、結局のところ推進者とリーダーの覚悟でしょう。

 Build/Buy/Partnerに則るなら、本気ではない人とパートナーシップを組んでくれる人がいるでしょうか。Buyに応じてくれる人は? 将来のリスクに備えるための探索なら、本気でやらねば学びは少ないでしょう。圧倒的な当事者意識を持ち、推進する覚悟を持った担当者と、その覚悟を応援するリーダーがいて初めて、少しずつ前に進めるのだと思います。逆に、なんとなく現業に飽きたからなんとなく新しいことをやって、止めろとも言われないし給与は今まで通り出るのだからそれでいいやとなり、最後はうまくいかなかったという例も聞きます。理由はよくわかりませんでしたとなってしまったならば、非常に残念なことです。

終わらせるために、そしてまた始めるために

 そうならないためにも、起案のプロセスに最初からOutを組み入れることも一案です。もしステージゲート制(新規事業において、構想から事業化までをいくつかのステージに分割し、一定の要件をクリアできたら次のステージに進むという仕組み)を敷いているのなら、2連続Outなら取り止めや、プランを変えて最初のゲートからやり直しと決める、あるいは自分以外の人のプロジェクトに参画するという仕組みとするのもよいでしょう。私の友人にも、自分が興したスタートアップはうまくいかなかったので知り合いのスタートアップに入社した人が少なからずいます。それと同じことが大企業内でもできる仕組みがあると望ましいのではないでしょうか。繰り返しになりますが、どんな仕組みを作るにせよ、リーダーは自分が終わらせるという覚悟を持つべきです。

 何かを始めたいと思い、そして始めてみて周囲の協力を得ることには大きな労力を要します。それを決意し、向き合った経験は称えられるべきものです。もう一度別の挑戦に向かうのか、それとも同様の挑戦をする人を支える立場に回るのか、あるいは既存事業でその経験を活かすのかは本人次第ですが、その難しさをよく知っているからこそ、私はどの挑戦も応援します。あなた自身の、そしてあなたの周りにいる方々の挑戦が無事に始まり、そして終わるべきときにはきちんと終わることを願っています。

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この記事の著者

三吉 香留菜(ミヨシ カルナ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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