医薬品流通改革に関する議論は、TPPのもたらす変化の本質を分かりやすく体現する
図のようにニュースではいつも政治決着/セーフガードの話が流れてくるが、実際に受ける影響は政治決着の話だけではない。TPPは事後の紛争処理をシステム化し、グローバルな方向に市場ルールを統一する貿易条約だから、勝ち目の無い日本特殊な商慣行の全てが、構造改革/グローバル化の方向に進んで調整されやすくなる傾向を覚悟しなければならない。
これを構造改革/紛争処理というと聞こえが悪いが、仮にも国内で自主的に進めれば、それは規制変更である。実際、健康食品の機能性表示/ゆうちょ・かんぽ生命の上場/GE普及は提訴される以前に国内で自主目標として再設定された。しかし、その背景にある米国政府の要望/米国との政策連動性を無視するわけにはいかないだろう。提訴する主体は、消去法で米国企業が有力視されているからである。