新技術との組み合わせで切り拓かれるCPaaS製品の未来
──Vonage Voice APIの活用について今後の展望を教えてください。
青嶌:実は先日、国会議員事務所に対して、Vonage Voice API開発テストにて宣伝的なアンケート調査を実施しました。「知るフォンというサービスを知っていますか」「世論調査はどのような手段で行っていますか」といった内容の電話アンケートを自動発信して、事務所の方にご回答いただく形です。その結果、回答率は全体の3~5%程度で、複数の事務所から資料請求の申し込みをいただきました。宣伝目的のアンケート調査としては、まずまずの結果だと思います。
今後は、この仕組みをソリューションとしてパッケージ化できないかと考えています。たとえば、営業電話を大量に架電する営業代行事業の会社であれば、このソリューションの利用により業務効率化や省人化を進められると思います。
このとき、Vonage Voice APIで音声通信の機能を提供すれば、安価な価格での提供ができるはずです。このように、Vonage Voice APIには、当社が今後新たな商品を提供していくうえで、サービスの品質や利便性を高める役割を担ってほしいと考えています。
そこで期待するのが、日本語のテキストデータを自動的に音声データに変換できる「AI音声機能」の導入です。現状は、アンケートを自動配信する際にはその音声を私たちが一つずつ制作しているのですが、その作業をAI音声機能で自動化できればサービス提供に要する手間を大幅に減らせると思います。ぜひご検討いただきたいです。
高橋:私たちはあくまで、開発元である米国Vonage社にお客様の要望をつなげる役割ではあるのですが、今お話された機能は技術的に十分に実現可能なものです。当社からも実現に向けて要望を届けてみようと思います。

──最後に、KWCのお二人からVonageの今後の展望をお聞かせください。
青木:現状、世界的にCPaaS市場は活況で今後も拡大が見込まれていますが、日本での知名度はといえばまだまだです。そのため、今後は私たちも製品の認知拡大や啓発活動に力を注ぎながら、導入を広げていきたいです。
そのなかでも、青嶌さんからもご要望いただいた通り、AIとの組み合わせは今後の重要なポイントになると思っています。実際に、コールセンターにおける電話応対の自動化といったニーズから、VonageとAIとの組み合わせを要望するお客様は少なくありません。今後は、こうしたお客様のニーズを捉えながら、Vonageをより便利に活用できる環境を整備していきたいです。
高橋:新たな技術という観点では、ネットワークAPIの台頭も見逃せません。ネットワークAPIとは、スマートフォンの位置情報などネットワークが提供する機能を外部から利用できるものです。その活用が普及すれば、従来は、ネットワークを保有していた通信キャリアしか把握できなかった情報を、通信キャリアの事業者でなくても安価かつ容易に利用できるようになります。
そして、これをCPaaS製品に機能として搭載できれば、通信サービスはドラスティックに変化するでしょう。それを考慮すれば、現在はまさに過渡期といえると思います。こうしたなかで、当社もVonageの提供にさらに尽力していきたいと思っています。

自社サービスにVonageを組み込むには?
「Vonage」の概要と今回ご紹介した「Voice API」各APIの特長や活用方法をまとめた資料を提供しています。ここでは、今回事例としてご紹介した。「Voice API」以外のAPIについても詳しく紹介しています。また、実際にどのような活用ができるのか、自社のサービスにどのように組み込めるのか、本記事で興味を持たれた方は「KDDIウェブコミュニケーションズへのお問い合わせ」よりお問合せください。