メルカリは、事業者が次年度の人手不足対策を考える年度末に、スキマバイト利用の多い3業界に焦点を当てた「物流・飲食・小売業界のスキマバイト活用実態」に関する調査を実施した。
物流・飲食・小売業界のスキマバイト利用事業者のうち「人手不足が深刻」は83.3%
人手不足の深刻度について質問したところ、83.3%の物流・飲食・小売業界のスキマバイト事業者が「人手不足が深刻」と回答した。
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また、スキマバイト導入のきっかけについても質問したところ、「繁忙期/閑散期に合わせて雇えるため」が46.5%で最も多く、次いで「短い時間でも募集できるため」が43.2%、「突発的な人手不足に対応できるため」が39.2%と続き、スキマバイトの柔軟性に関する項目が多く挙がったほか、およそ3店舗に1店舗(31.2%)が「スキマバイトがないとお店が回らない」と回答した。
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人手確保が難しい要因は「繁忙期・閑散期の大きな差」
人手確保が難しい要因について質問したところ、「繁忙期・閑散期の差が激しくレギュラーバイト(派遣)を起用するとコストがかかるため」が38.0%で最多となり、次いで「セールなどの繁忙期が突発的に来るため」が37.5%、「早朝・深夜などの人が集まりにくいシフトもあるため」が37.3%でトップ3となり、いずれもレギュラーバイトだけでは解決が難しい課題が上位にランクインした。
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人手不足対策として行っていることは「アルバイト・パートの新規募集」
人手不足対策として行っていることとして、「アルバイト・パートの新規募集」が75.7%で最も多く、次いで「スキマバイトサービスの利用」が45.3%、「働き手への賃金の一時的なアップ」が44.5%、「派遣事業者の利用」が31.7%と続き、人手不足対策のメジャーな選択肢として定着しつつあるとわかった。
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約6割が直近1年でスキマバイトサービスの活用が増えた
スキマバイトサービスの利用開始時期について質問したところ、「直近3ヵ月以内」が10.5%、「直近半年以内」が15.5%、「直近1年以内」が34.5%で、合計60.5%の事業者が1年以内にスキマバイトを活用し始めたことがわかった。
また、直近1年のスキマバイトサービス活用について質問したところ、「増えた」が19.8%、「やや増えた」が38.0%で、合計57.8%が直近1年でスキマバイト活用が増えたと回答し、直近1年でスキマバイトを利用する事業者の数だけではなく、利用頻度も増加していることが明らかになった。
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約8割が「スキマバイトサービスに満足」と回答
スキマバイトの満足度を質問したところ、「とても満足だ」が13.2%、「満足だ」が65.3%で、合計78.5%がスキマバイトサービスに満足だと回答した。
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また、今後の利用意向についても質問したところ、「非常に活用に前向きである」が16.8%、「活用に前向きである」が53.5%で、合計70.3%が活用に前向きであるという結果になった。
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業界ごとにスキマバイトを活用する曜日が異なる
スキマバイトを活用する曜日について質問したところ、物流業界では「月曜」が26.0%、「水曜」が28.5%、「木曜」が25.5%で、飲食・小売業界と比較して10〜15ポイント高い傾向がわかった。一方で飲食業界においては「金曜」が33.5%、「土曜」が39.0%、「日曜」が36.0%と高く、小売業界は「土曜」が30.5%、「日曜」が33.0%と高い結果になった。
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小売業界はピーク帯の手前が他業界より高い結果に
スキマバイト活用の時間帯についても質問したところ、物流業界はアルバイトや派遣社員が集まりづらい「早朝(4~7時頃)」「深夜(22~3時頃)」に人手が足りず、飲食業界は営業ピーク帯である「お昼(12~13時頃)」「夜(19~21時頃)」。小売業界は、品出しなどの準備の際にスキマバイトを活用するケースが多いことから、営業ピーク帯の少し手前の「午前(8~11時頃)」「夕方(17~18時頃)」でのスキマバイト活用が他業界より高いことがわかった。
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1回あたり雇用するスキマバイトの人数
一拠点あたりで1日に雇用する人数を質問したところ、物流業界が平均15.7人で、飲食業界(平均3.4人)と比較して4倍以上の人数を雇用しており、倉庫で一斉作業をするため一度にたくさんの人手が必要なことがわかった。
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非正規雇用における就業形態の内訳、物流・小売業界は2割近くがスキマバイト
回答者が勤めている店舗における非正規雇用社員の就業契約の内訳について、「契約・派遣社員」「パート・アルバイト」「スキマバイト」の割合を質問したところ、スキマバイト比率は物流業界と小売業界では平均1.8割、飲食業界では平均1.4 割という結果となった。また小売業界では、スキマバイトが10割であると回答した店舗もあった。
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スキマバイトの人が働きやすいように工夫していること
スキマバイトの働き手が働きやすいように工夫していることについて質問すると、物流業界は「マニュアルを用意している」が43.0%で最多となり、他業界より10ポイント程度高い結果となった。前述の質問にもあった通り、物流業界は1回あたりのスキマバイト雇用人数が多いことから、マニュアルによる効率化が重要だとの声が上がっている。飲食業界では「なじみやすい雰囲気づくりをしている」が48.0%で、7ポイント程度高くなっている。
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調査概要
- 調査タイトル:物流・飲食・小売業界のスキマバイト活用実態に関する調査
- 調査期間:2025年3月4~6日
- 調査方法:インターネットリサーチ
- 調査対象:全国、男女、18歳以上の人手不足を感じており、スキマバイトを活用している事業者
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