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新規事業開発マネジメントの要諦

新規事業が成功する組織への変革ロードマップ/希少なイノベーター人材の活かし方

第6回

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希少な経営資源を活かす「IRM」とは?

 「イノベーター人材の出現割合」の数値の精度そのものは、さほど重要ではありません。ただ、イノベーター人材は企業において希少な存在であり、それは大企業や中堅・中小企業、もしくはベンチャー・スタートアップ企業のいずれにも在籍していることだけは認識しておく必要があります。

 どの企業でも数%しかいないということは、日本という国家全体で見てもイノベーター人材は不足・枯渇しているといえます。中長期的にイノベーター人材の数を底上げしていくためには、国として教育のあり方などから見直し、20~30年という長い年月をかけて改革していく必要があるでしょう。

 そこで、企業が目の前の新規事業開発やイノベーション創出活動で成功する確率を高めるには、現存するイノベーター人材という希少な経営資源を最大限に活かすことが必要不可欠です。そのためには「社内外のイノベーター人材と良好な関係性を構築し、その能力や成果を最大化できるように支援する」という考え方を、組織の根底に根付かせることが重要だと筆者は提唱しています。

 これを「Innovator Relationship Management(イノベーター・リレーションシップ・マネジメント)」、略して「IRM」と呼んでいます。

 IRMは、マーケティング分野でかねてから普及しているカスタマー・リレーションシップ・マネジメント(Customer Relationship Management=CRM)を応用し、その対象をイノベーター人材に据えた概念です。

CRMでは顧客体験(Customer Experience=CX)の向上を目指して、顧客に合わせた対応や施策を実施することで良好な関係性を築き、満足度やロイヤリティを高めることで売上や利益の最大化を目指します。

 これと同様に、IRMでは企業経営者が希少性の高い「イノベーター人材の体験(Innovator Experience=IX)」を向上させることで良好な関係性を築き、その能力や成果の最大化を目指します。

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「優秀な人材ほどすぐ辞める」時代だからこそIRMが不可欠

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この記事の著者

北嶋 貴朗(キタジマ タカアキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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