「How」の専門家である管理職と「Why」の探求者である経営人材の決定的な違い
栗原:経営人材育成が経営課題の一番手として20年以上も解決されず、近年ではさらに困難で複雑になっているという状況をお聞きしました。多くの企業が「最も優秀な管理職」を経営人材候補に据えようとしますが、その前提自体がそもそも間違いの始まりだと先生は指摘されています。管理職と経営人材の決定的な違いとは何でしょうか。
田中:管理職と経営人材は「全く異なる種の生き物」と言えるほど質的に根本的な違いがあるという認識が不可欠です。それは能力の優劣ではありません。両者の違いを端的に表現するなら、管理職の役割は「Doing things right(物事を正しく行う)」、経営人材の役割は「Doing the right things(正しいことを行う)」ことです。
