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「現場と経営」による新規事業の成功戦略

新規事業の再現性を高める「ビジネスプロデュースCoE」とは? 日本企業に必要な4つの役割と組織設計

第4回

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 前回は、自社に最適な新規事業マネジメントの「型」を見つけるための考え方と、トップダウン型・ボトムアップ型・出島型という3つのアプローチをご紹介しました。しかし、どの型を選んだとしても、成功のために必要な機能があります。それは「現場と経営のギャップを埋め、継続的に新規事業を推進する人材・組織」の存在です。最終回となる今回は、ドリームインキュベータが提唱する「ビジネスプロデュースCoE」の重要な役割について、具体的な立ち上げ方から業務内容まで詳しく解説します。

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新規事業は“マネジメント”よりも“リード”が重要

 新規事業を成功へ導くには、個社に合わせたマネジメント手法を選ぶだけでなく、現場と経営のギャップを埋める“人”がいなければ進みません。しかし、多くの企業でこの“人”が欠けているため、せっかく良い新規事業のアイデアがあっても経営層に適切に伝わらず、結果として事業化に至らないケースが頻発しています。

 では、どうすればギャップを埋める“人”を確保できるのか。私たちはこれまでの支援実績から、属人的なスキルに頼るのではなく、組織としてこの役割を担うことが成功の近道であると確信しています。私たちはその組織を「ビジネスプロデュースCoE(Center of Excellence)」と呼んでいます。

 多くの企業では、新規事業の管理をいわゆる「PMO(Project Management Office)」の役割で進めようとしがちです。しかし、私たちは「PLO(Project Lead Office)」としてリード機能を持つことこそが重要だと考えます。

 PMOで新規事業創出が成り立つのは、その創出プロセスが組織内で共通認識になっていることが前提です。たとえば、リクルートやサイバーエージェントのように継続的に新規事業を生み出す文化が根付いていれば構いません。ところが、多くの企業では新規事業は組織としての共通認識になっていない“答えのない”状態です。“誰か”がリードしなければ議論さえ起きず、PMOが存在してもそもそも「管理するものがない」という状況に陥ります。

 つまり、正しくマネジメントを行うことで成果が望めるシステム開発や既存事業のプロセス改革とは異なり、新規事業推進メンバーのリードと、それを仕組みとして整備して管理するところまで、“誰か”がすべてを担う必要があります。この“誰か”を「個人」ではなく「組織」で担うのが「ビジネスプロデュースCoE」です。

 次ページでは、このビジネスプロデュースCoEが担う4つの役割を解説します。

次ページで解説します

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ビジネスプロデュースCoEが担う「4つの役割」

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この記事の著者

田代 雅明(タシロ マサアキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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