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「新規事業提案制度」事務局運営のリアル

大東建託の「HIRAKU」が実践した人事連携の進め方。会社を救う“気概ある人材”を新規事業で育てる

ゲスト:大東建託 遠藤勇紀氏(後編)

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自分で事業を作れることが制度の求心力になる

イノベーション:仕組み化を進める一方で、遠藤さんご自身は今後どう動かれる予定ですか?

遠藤:私は「制度運営のおじさん」ではなく、「事業家」であり続けたいと考えています。自分で事業を作っているからこそ、起案者の痛みがわかるし、現場に対して「こうすれば通るよ」という生きたアドバイスができます。運営事務局の仕事だけで終わってしまうと、事業家としての勘が鈍り、言葉の重みがなくなってしまいます。

イノベーション:事務局専任になると、どうしても「管理する側」の論理になってしまいますからね。

遠藤:はい。だからこそ、制度運営の実務は仕組み化して手放しつつ、私自身はCVCなどを通じてハンズオンで事業開発に関わり続けたい。「制度を作った人」ではなく、「今も現役で事業を作っている人」としての背中を見せ続けることが、結果として制度の求心力を維持することにもつながると信じています。

本業が好調だからこそ「会社を救う気概」を持つ人材と文化を育てる

イノベーション:最後に、この制度を通じてどんな未来を作りたいか、展望をお聞かせください。

遠藤:大東建託の本業は今、非常に順調です。しかし、日本の人口減少というマクロトレンドを見れば、10年後、20年後を楽観視はできません。長期的には「管理戸数日本一」の座にあぐらをかくのではなく、会社としてさらなる発展を遂げる責務が他の大企業と同じようにあると思っています。社員の仲間たちからも、そのことを感じ取って行動する想いや勢いをヒシヒシと感じます。その結果として、ベテラン層は「会社を再成長させたい」という想いを、Z世代の若手は「自分の市場価値を高めながら早く会社に貢献したい」という想いを持って、HIRAKUへ応募してくださっているのだと考えています。

イノベーション:モチベーションの源泉は違えど、現状維持ではいけない、さらなる高みへという、いい意味での危機感は共通して抱いているわけですね。

遠藤:はい。私は事業戦略部という新規事業を統括する部門の一員として「HIRAKU」という制度を通じて、会社がさらに大きくなる「未来」を自分の手で作るという気概を持った社員が一人でも多く育つことに微力ながら寄与したいと思っています。

 事業の売上利益によって貢献できる人が生まれることがベストですし、たとえ提案した事業が撤退に終わったとしても、その経験をした社員が本業に戻り、100億円、200億円の事業を動かすリーダーになったとき、その失敗経験が必ず活きてきます。

 社員が自らのおかれた立場において「HIRAKU」での経験が活かされ会社の未来を切り拓いていく“文化”を作ること。それが、この制度を運営する最終的なゴールだと思っています。

イノベーション:本業が順調な今だからこそ、次の時代を作る人材を育てる。非常に示唆に富むお話でした。本日はありがとうございました。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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