2025年12月1日、NTT、NTTドコモビジネス、Mujinの3社は資本業務提携を締結した。今回の提携により、NTTグループの通信・クラウド・AI技術と、Mujinのロボット制御およびデジタルツイン技術を融合し、製造・物流領域の高度な自動化と業務変革を推進する。本提携は、世界的な人手不足や労働コスト増、AI技術進展という市場背景を受けて、多品種少量生産や柔軟な自動化ニーズの高まりに対応するものだ。

　Mujinの「MujinOS」は、独自の認識・動作計画・デジタルツイン技術を統合したオートメーションプラットフォームであり、複雑なロボット・倉庫管理を単一オペレーションで実現する。従来型ロボットの繰り返し動作ではなく、センサーを活用し環境変化に自律的に対応する知能ロボットの実現が求められる中、「MujinOS」は多様な現場データをリアルタイムで処理・統合できる強みがある。

　今後、ロボット運用データが膨大となることを見据え、データ管理やAIインフラの強化が急務となっている。NTTドコモビジネスは、AI時代に適した次世代ICTプラットフォーム「AI-Centric ICTプラットフォーム」を展開し、多様なセキュリティ機能、NaaS型ネットワーク、データセンターなどの基盤をMujinと連携させ、安心・安全な自動化ソリューションの実現を目指す。

　また、NTTグループは中期経営戦略で「データ・ドリブンによる新たな価値創造」を掲げており、光技術を軸としたIOWN構想や、生成AI、HRI（ヒューマン・ロボット・インタラクション）等の先端技術とMujinの技術を結集。製造・物流業界にとどまらず、幅広い産業で自律的なフィジカルAI実用化や業務効率化に取り組む。

　提携の具体的な取組としては、デジタル基盤とロボット技術を融合した新しいソリューション開発や、両社の顧客基盤・チャネル活用による新しいビジネス創出、デジタルBPOなどの共創、さらに生成AIやHRI技術を活用した新規事業領域開拓がある。

　今回の連携により、産業DXを推進する経営企画部門や新規事業担当部署にとって、安心・安全かつ拡張性の高い自動化基盤の導入検討が具体的に進めやすくなった。変化の激しい産業現場におけるリスク管理と競争力強化に向け、今後の動向に注目が集まる。

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