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新規事業 LEADERS 2026

大企業が「共創の場」を持つメリットは? NTT西日本と富士通に聞く、イノベーション拠点の“真価”

新規事業 LEADERS 2026 レポート: NTT西日本 浮田昭夫氏、富士通 浮田博文氏

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経営層にどう説明する? 共創施設を持続可能にするKPI設計と組織体制

梶川: 素晴らしい熱気と成果ですが、大企業でこうした施設を持続可能にするには、経営層からのシビアな要求に応え続けなければなりません。KPIや経営とのコミュニケーションはどうされているのでしょうか。

浮田(NTT西):我々はQUINTBRIDGEがグループへもたらす貢献を3つの柱で定義し、数値化して半年に1回、全役員・支店長が参加する経営会議で付議しています。

 1つ目は「事業共創」。生まれたビジネスの売上貢献額や、法人営業へのアシスト額を算出しています。2つ目は「企業ブランディング」。昨年度の約3,000本のメディア記事掲載数に広告換算価値を掛け合わせ、経済価値効果を数値化しています。3つ目は「人材育成」。昨年度イベントに参加した約2,800人の社員が、もし外部の研修に参加したらいくらかかるか、その市場価値を算定しています。

 これらを運営コストと並べて提示することで、コストは横ばいでも事業貢献額は毎年着実に積み上がっていることを説明しています。

NTT西グループへの事業貢献3本柱
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梶川:組織体制にも工夫はあるのでしょうか?

浮田(NTT西):はい。事業共創とブランディングは我々「ミライ事業共創室」がリードしていますが、人材育成に関しては「人材開発部門」がリードしています。事業共創は結果が出るのにリードタイムがかかるため、そこだけで持続的な運営を目指すのは困難を伴います。複数の貢献軸を持ち、全社横断で取り組むことがサステナブルな仕組みの要だと感じています。

浮田(富士通):UiSはできたばかりなので明確なKPI設定はこれからですが、今はまず「場が盛り上がること」を最重要視しています。我々の施設は個人レベルで登録でき、競合他社の方も歓迎しています。熱い想いを持った人が集まり、マグマが融合することが第一歩だからです。

 経営に対しては、UiSを多様なプレーヤーが集う「越境対話と実証のハブ」と位置づけています。ここで生まれたアイデアの中から、富士通と親和性の高いものを「富士通アクセラレーター」やCVCに乗せてスケールさせ、将来のビジネス(新産業)にしていくという価値のストーリーラインで合意形成を図っています。

産業活性化/新産業創出の仕組みを提供
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東西のイノベーション拠点が描く、共創エコシステムの未来

梶川:最後に、今後の展望や、どのように独自のエコシステムを拡張していくかについてお聞かせください。

浮田(富士通): 会員集めは自社だけで抱え込まず、外部のコミュニティマネージャーの力や、富士通の副業制度を活用して様々な人を巻き込んでいます。

 また、このUiSの取り組みは第一歩に過ぎません。今後、富士通の本社がある武蔵中原に、テクノロジーで誰もがスポーツを楽しめる「Fujitsu Arena(仮称)」や、イノベーション創出の多目的施設「Fujitsu Museum/Open Innovation(仮称)」を新設し、地域に開かれた「Fujitsu Technology Park」へと発展させていく構想があります。UiSはそのためのプロトタイプとして、今まさにQUINTBRIDGEの浮田さんからも学びながら経験を積んでいるところです。

浮田(NTT西):大阪ではキタ・ミナミに加えて、昨年、万博に向けてニシ側が盛り上がっていましたが、QUINTBRIDGEがあるヒガシ側の京橋・森ノ宮エリアでも、2025年秋に大阪公立大学さんが移転してこられるなど、地域全体でイノベーションを盛り上げていくチャンスが広がっています。大阪駅からも10〜15分でリーチできる場所ですので、ぜひ一度足を運んでいただきたいです。

 また、施設運営者同士は非常に仲が良いので、こうした交流を通じて、業界や地域全体をさらに盛り上げていきたいですね。

梶川:企業の枠、そして東西の枠を超え、オープンイノベーションの熱気がさらに広がっていくのが楽しみですね。お二人とも、本日は貴重な実践知を共有いただき、本当にありがとうございました。

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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