トライアルホールディングスは2026年3月3日、傘下の西友が首都圏74店舗において音声付きデジタルサイネージ「インストアサイネージ」を順次導入することを発表した。西友の店舗網を活用し、リテールメディア戦略を首都圏に拡大する狙いがある。

インストアサイネージは、来店客に対して売り場連動型の情報提供を行うほか、小売とメーカー双方が「共通のファン」をつくる新たな買い物体験の提供を目指す。導入は首都圏74店舗から着手し、来店客に最適な情報を届けることで、顧客接点を強化していく方針だ。
背景には、広告環境全体がテレビや新聞以外へ多様化するなか、購買の最終接点であるリテールメディアの重要性が高まっていることがある。小売店舗での購買行動の約80%が来店時に決定される「非計画購買」とされ、店舗内で新たな広告価値を生み出す取り組みへの注目が集まっている。
トライアルは、独自開発したIoT・AIを活用した「スマートストア」を全国展開しているほか、2023年には福岡県内全店舗へのインストアサイネージ導入を完了させている。福岡での導入店舗は、1日あたり19万世帯の来訪があり、世帯視聴率換算で8%というテレビ番組のゴールデンタイムに相当するメディアリーチを実現した(自社調べ)。
今回の西友首都圏74店舗への導入でも、視聴率5%のテレビ番組と同程度のリーチが見込まれている。これにより、「購入直前」の顧客に対して有効な情報発信が可能となり、メーカーと小売が連携して潜在ニーズを掘り起こし、中長期的な関係性の構築を目指す。
インストアサイネージの特徴は、売り場POPや大量陳列といった「静」の要素と、動画や音声という「動」の要素を組み合わせ、販促効果を高めることにある。店内一斉放送により出来立て商品や季節イベントの情報を配信するなど、リアルタイムかつ柔軟なコンテンツ提供を可能とする。また、福岡の導入店舗での実績として、焼き芋の出来立て放送を行った店舗では、未設置店舗に比べて売上が114%増加。メーカーと連携した入浴剤商品の販促では、サイネージ導入店舗が前後比631%の売上を記録するなど、実証された販売効果が注目されている。
今後もトライアルと西友は、インストアサイネージを活用したリテールメディア戦略を拡大し、買い物体験や顧客関係構築の新たな価値を創出するとしている。
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