サービスの全体像を「外側」と「内側」から描く
サービスブループリントは、サービス提供に関与する様々な人々がその全体像を客観的に理解するための青写真(マップ)です。それは、サービスを論理的なコンポーネントに分解し、プロセス内のステップを表示し、顧客が特定のサービスを認識する際の証拠を提供するものです。
顧客ジャーニーマップが、顧客の行動、思考、感情を含む全てのタッチポイントにわたる顧客の経験を捉える一方、サービスブループリントは、サービスデリバリーに必要とされる様々なテージを含むサービスプロセスの全体像を捉えるものです。サービスデザインまたはビジネスモデルの観点からは、アウトサイドイン(サービスを経験する顧客ジャーニーのプロセスを描く)の代表的なツールが顧客ジャーニーマップ、インサイドアウト(サービスを提供する組織内部のプロセスを描く)の代表的なツールがサービスブループリントであると言うことができます。
本連載では、ビジネスモデルをデザインするために役に立つツール群をご紹介しています。「ハンマーを持つ人には全てが釘に見える」という名言がありますが、各々のツールを活用する目的を正しく理解することは非常に重要です。ここでは、サービスブループリントと顧客ジャーニーマップを活用する主要な目的を簡単に整理してみました(図1)。
一般的に、ITを活用した新しいサービスのデザインと実装を進めていく場合、最初に顧客ジャーニーマップによって顧客経験の全体像を捉え、次にサービスブループリントによってサービス全体の概要を描き、最後にWebサービスやビジネスプロセスの詳細を定義していくことをお薦めします。