WOWOWは、2025年度(2026年3月期)の連結決算および2026年度の事業計画を発表した。会員収入の減少が続く中、グループ会社を含めた事業収入の拡大により増収を確保したものの、コンテンツ競争の激化などが響き、経常利益は減益となった。
2025年度連結業績:事業収入の成長で増収を維持、純利益は大幅増

2025年度の連結業績は、売上高が771億2,400万円(前期比100.5%)、経常利益が22億7,600万円(同75.9%)、親会社株主に帰属する当期純利益が12億9,600万円(同203.3%)となった。
売上高については、有料放送の会員数減少に伴い会員収入が35億9,300万円減少したものの、映画・イベント・EC事業や広告・ライツ事業などの「事業収入」が大幅に伸長したことでカバーし、微増となった。経常利益は、会員収入の減少分を補いきれず減益となったが、当期純利益については、前期に実施した4Kチャンネル放送終了に関連する減損損失の反動などにより、前期比で大幅な増益を記録している。
加入状況:正味加入件数は19万3,000件の純減

期末の累計正味加入件数は216万7,000件(前期比91.8%)となった。新規加入件数は57万1,000件で、連続ドラマ「北方謙三 水滸伝」や音楽・スポーツコンテンツが好評を博したものの、話題作が重なった前期(「連続ドラマW ゴールデンカムイ」や「WOWSPO」開始など)との比較では減少した。解約件数は76万4,000件と前期より良化したものの、新規加入を上回り、差し引き19万3,000件の純減となっている。
2026年度の重点戦略:新配信サービスの立ち上げとコスト構造改革
同社は2026年度を、中期経営計画(2025-2029年度)の実現に向けた重要な1年と位置づけ、以下の重点戦略を掲げている。
- 新たな配信サービスの立ち上げとデジタル基盤の確立:新サービスへのマーケティング投資を集中させ、デジタル領域での顧客獲得を最大化する。
- コンテンツ多層化による事業収入の創出:収益性の高いコンテンツ外部販売や広告事業を強化する。
- コスト構造改革:コンテンツ費を含む全社的な費用構造の見直しと固定費削減を断行する。
- AI・DX活用による生産性向上:事業基盤の強化にAI・DXを全社的に推進する。
- グループ各社の収益基盤再構築:グループ外への販売(外販)を推進し、収益力を高める。
2026年度の業績予想:投資先行により減収減益を見込む

2026年度の連結業績予想は、売上高745億円(前期比96.6%)、営業利益7億5,000万円(同50.8%)、経常利益10億円(同43.9%)と、減収減益を見込む。これは、新サービスの立ち上げに伴うマーケティング投資やデジタル基盤構築への投資を優先するためとしている。配当については、1株当たり年間30円の安定的な配当を継続する計画だ。
【関連記事】
・西武HD、2026年3月期決算は大幅な減収減益 大型物件の流動化反動が影響もホテル・鉄道は堅調に推移
・パナソニックHD、2025年度決算は減収減益 構造改革完了で26年度はV字回復、過去最高利益見込む
・関西ペイントの2025年度決算、売上高は5期連続で過去最高を更新 アフリカ事業が大きく寄与
