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新規事業 LEADERS 2026.06

事業ではなく産業を創れ。みずほ中馬氏と住友生命藤本氏が語る、大企業だからこその共創戦略

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 2026年6月23日開催の「新規事業 LEADERS 2026」より、みずほフィナンシャルグループ 執行役員 CBDOの中馬和彦氏と、住友生命保険 常務執行役員の藤本宏樹氏が登壇した「大企業の新規事業の現在地と、新たな産業の創出」の様子をレポート。大企業の新規事業が陥りがちな「自社中心の罠」からいかに脱却し、個社の枠を超えた「産業創出」へと向かうべきか。AIシフトや世界経済のブロック化といったマクロ環境の変化を踏まえ、これからの新規事業リーダーに求められる戦い方を掘り下げる。

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「自社だけのための新規事業」は作らない。両氏の産業創出ビジョン

Biz/Zine編集部・梶川(以下、梶川):「新規事業LEADERS 2026」の最後のセッションとして、個社の新規事業の出口戦略からさらに視座を上げ、「産業を作る」というテーマでお話しいただきます。まずは自己紹介をお願いします。

中馬和彦氏(以下、中馬):みずほフィナンシャルグループで新規事業の責任者(CBDO)をしています。同時に、スタートアップ投資を行うBlue Labの責任者も務めています。長くKDDIで新規事業とCVCの責任者をしておりましたが、2025年にみずほフィナンシャルグループに移りました。

株式会社みずほフィナンシャルグループ/株式会社みずほ銀行 執行役員 CBDO 中馬和彦氏
株式会社みずほフィナンシャルグループ/株式会社みずほ銀行 執行役員 CBDO 中馬和彦氏

 私がみずほに来て新たに設定した新規事業のタグラインは、「強い日本の産業をつくろう、もう一度。」です。失われた30年と言われますが、これから生み出され続ける30年にしたいという想いで、事業ではなく、産業を創ることを目指しています。そのため、みずほのための新規事業ではなく、新たな産業を創るというタグラインを掲げることにしたのです。自前主義の0→1ではなく、スタートアップを中心としたパートナーとのオープンイノベーションを通じた事業開発を行っているのが特徴です。

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藤本宏樹氏(以下、藤本):住友生命の藤本です。私たちは現在、主力事業として「Vitality」という健康プログラムを展開していますが、これも元々は新規事業でした。従来の生命保険は「リスクに備える」ものでしたが、そこに「リスクを減らす」という身体的ウェルビーイングの価値を掛け合わせたものです。

 現在はさらに拡張し、「WaaS(Well-being as a Service)エコシステムの構築」を進めています。ウェルビーイングの領域はまだ世の中ゴト化しておらず、マーケットそのものがない状態です。だからこそ、自社だけで閉じるのではなく、オープンイノベーションを通じてマーケットを開拓し、「ウェルビーイング産業」を日本から立ち上げていこうと取り組んでいます。

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出島、我田引水……藤本氏が指摘する「大企業の新規事業」三つの罠

梶川:大企業の新規事業の現在地について、藤本さんは様々な事例や海外の動向を見られる中で、どのように感じていらっしゃいますか。

藤本:正直なところ、日本の大企業の新規事業は苦戦していると感じています。6月にはフランスのイノベーションイベント「VivaTech」を視察してきましたが、そこでは韓国のパワーが圧倒的でした。国やエコシステム、大企業が一丸となってブランドを作り上げており、ヨーロッパでも「アジアのイノベーションといえば韓国」という認識になりつつあります。日本がこれだけ地盤沈下している今こそ、大企業が事業を立ち上げなければなりません。

住友生命保険相互会社 常務執行役員/一般社団法人WE AT共同代表理事 藤本宏樹氏
住友生命保険相互会社 常務執行役員/一般社団法人WE AT共同代表理事 藤本宏樹氏

 しかし、大企業の新規事業には三つの課題があります。一つ目は「出島で作ってしまうこと」です。出島は動きやすい反面、本業の経営戦略とアラインしていないため、社内から無視され、結局小さく終わってしまいます。

 二つ目は「マーケティングの視点とリソースの不足」です。実証実験までは進んでも、そこからグロースさせるための広告宣伝費などのリソースが新規事業に割かれないため、スケールしません。

 三つ目は「クローズドなオープンイノベーション」になっていることです。自社のエコシステムにいかにスタートアップを取り込むかという我田引水になっており、Win-Winの関係を築けていないケースが多いと感じています。

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自社の論理を押し付ける大企業の「天動説」の限界

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この記事の著者

梶川 元貴(Biz/Zine編集部)(カジカワ ゲンキ)

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