中国に合わせた味覚づくり
中国人向けにバーモントカレーを作るにあたり、「ライスにかける」、「とろみがある」、「具がしっかり」、「子供が食べられる」という日式カレーライスの基本条件は変えていない。一方、嗜好に合わせて中国人好みの香辛料「八角」を入れたり、彼らには美味しく見える「黄色」を強くしたりしている。 また1960年代にハウス食品がカレーを普及させたとき、街頭の試食販売をした。中国でも同じ手法で一つ一つやるしかないと決めている。2016年には延べ27,000日の試食デモを開催する予定だ。
さらに中国には、類似品リスクがある。現時点でも数多く出ているが、中小企業ばかりなので影響レベルはほとんどないという。ただカレーのマーケットが大きくなると、中国の大手が参入してくる。それが一番のリスクだと設定している。 対応は二つあり、一つはブランドを確立させておく。もう一つは調達や生産において、如何に競争力のあるビジネスモデルを作り上げておくかになる。 最後に広浦氏は「中国法人は、2030年には日本の加工食品の売り上げを抜くぞという大きな目標を掲げています。実際、それぐらいのポテンシャルはあるのです」と語った。今後の動向に注目したい。