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Design Ethos 生活文化力という資質

Design Ethos ~デザインのHowではなくWhatを考える“生活文化力”とは?

Design Ethos 生活文化力というスキル:第1回

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 過去10年間、ロンドンのデザインコンサルティング会社「シーモアパウエル」(※1)でグローバル企業の新商品開発やブランド戦略を担当してきた。その経験をベースに、日本の読者向けに私が今後のグローバルビジネスにおいて不可欠だと考える「生活文化力」とは何なのかを中心に、デザインにおける「How」ではなく「What」の側面、つまりデザインメソッドではなくデザインエソスについて考え、その要素を企業活動に取り込む為には具体的にはどうしたら良いのかについて、中長期トレンドや過去の活動事例等を挙げながら、考え方を前に推し進めていきたいと思う。

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この5年で「デザインを活用したビジネス」のHowの理解は進んだが…。

 技術のコモディティー化が進むなか、世界中の企業が新商品開発やブランド戦略において、実態の掴みにくい価値を模索し続けている。こと日本においては、特に過去5、6年の間に、実に沢山のデザイン手法が「デザインを活用したビジネス」という文脈で紹介されてきた。高度経済成長の時代から、スタイリング程度に見られることも少なくなかった「デザイン」が正しく見直され、先の見えにくい時代の切り札として注目を浴び始めたのである。

 エスノグラフィー、アジャイル、ペルソナ、ストーリーテリング、シナリオプラニングなどなど。紹介された手法の数は両手に余るほどである。当初は、それらの欧米手法が日本産業の肌に合わず、結果に結びつかない例を多く目にしたが、近年ではそれら手法を“日本化”することに成功した少数の名人たちのおかげで、日本企業の中でも、過去に比べて格段に健全化したプロジェクトが動きつつあり、新しい枠組みの中で高い価値が生み出されたという成功事例も複数見受けられる。

 だからと言ったらやや乱暴だが、とにかくデザイン手法に関しては、沢山のひとが沢山のことを書いてきたし、結果も出始めている。だからこの連載では、既述したようなデザイン手法は全て理解され機能しているという“仮前提”で話を進めさせて欲しい。なぜなら、私が考えたいのは、仮に全てが理解され機能したとしても、グローバル市場で勝つ何かを作るためには、デザイン手法だけでは十分でないという思いとその経験があるからである。

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どれだけ多くの手法「How」を理解し実行しても“勝てない”のはなぜか?

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この記事の著者

池田 武央(イケダ タケヒロ)

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