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Design Ethos 生活文化力という資質

クリエイティブワークが価値になる時代に、個人やチームとして「美や洗練」を蓄積する意味

Design Ethos 生活文化力というスキル:第2回

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日常生活の中で美しさや洗練を考えることが、企業にとって価値となる時代

 海外出張でそうした地域に来たにも関わらず、会議や展示会視察や表層をなぞるだけの市場調査で帰国してしまうことは、非常にもったいないことだと思う。現地人の実生活を覗いたり、そこで彼らにインタビューしたり、一緒に何かを体験したり。もっと欲をいえば、一回限りではなく定点観測が望ましい。展示会でいうと、毎年企業から来る人が違って前年からの綿密な引き継ぎもなければ、その前年までの傾向比較として、今年の価値ポイントが見えないと思う。現地人や、定点観測しているリサーチ会社の人と一緒に回って文脈を理解して、やっと見えるか見えないかの本質である。今後、展示会出張者や海外赴任者の責任として、この辺りを是非含めて欲しいと思う。

 非常に取っ付きにくいテーマであるし、日本企業のような大きな組織体を前に煙たがれるテーマでさえあるが、それでも敢えて文章化するほどに大切なことだと思っている。個として、チームとして、企業としての美や洗練に対する価値観が変わっていけば、それはいつか売り場や消費者にも浸透していく。自分の生活のなかに置くものに美しさを求めますか、という質問に対してノーと答える人はいないのに、景観を汚す無数のサインや広告や、家電量販店の製品にベタベタ貼られたポイント何倍とかエコ還元とかが書かれたシールは、年々増えているようにさえ見える。そうした状況がゆっくりでも確実に改善されていく事を願って止まない。

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この記事の著者

池田 武央(イケダ タケヒロ)

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