人工知能型ERPを導入する近畿大学の意図
2日目のオープンニングスピーチでは、人工知能の活用法にいち早く注目し、日本の大学として初めて人工知能を取り入れた業務改革を決定した近畿大学のHUEの導入事例が紹介された。
近畿大学といえば世界で初めてクロマグロの完全養殖を成功させ知名度をあげたが、研究以外にも「常識をぶっ壊す近大」をスローガンに、入学試験のインターネット出願、アマゾンでの教科書購入、卒業証明書のコンビニ発行といった革新的な試みを次々と打ち出し、総志願者数が日本一を記録するなどの結果を出してきた。とはいえ、大学をめぐる経営環境は厳しく「グローバル化、少人数教育、定員厳格化など、大学界に課せられるノルマはたくさんある」のに対し「私立大学の収入構造は学納金以外の収入はほとんどない」(広報部長の世耕石弘氏)。そのような環境のなかで生き残りを考えた結論が、HUEの導入だった。
6つのキャンパス、3つの付属病院、16の付属学校、20近くある研究施設、すべてバラバラの仕組みでやっていました。今回、これらをAIでひとつに統合し、徹底した業務の合理化を図っていきたい。そして、多くの教職員を事務作業から解放して、その力を学生のために費やせるようにしていきたいと思います。