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東大、森川博之教授が語るIoT時代のビジネスヒント

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IoTで経営者の意識が変わった。

デジタルが社会や経済を変えていく時代になった。すべてのモノがインターネットやセンサーを介してつながっていくIoT(Internet Of Things)という言葉が定着した2016年をふり返り、森川教授はIoTの定義を次のように語った。

IoTをごくシンプルに定義してみると、それは「アナログのプロセスがデジタル化すること」だと言えます。仕事や日常の中にあるアナログのプロセスを見出し、そこにセンサーや通信を入れてデジタル化する。こういうとなんだか当たり前のように聞こえるかもしれませんが。

IoTという言葉が定着してから、森川教授は数多くの企業の経営者の会合や講演に呼ばれるようになった。大企業の幹部たちの会合にも呼ばれ、IoTの説明を求められることから、企業の経営者のITに対する意識が、大きく変わったことを実感するという。

ここ数年、ITはコストとみなされ、削減すべきものと捉えられていたのですが、IoT以降は新しい価値を生み出すものという認識に変わりました。。

コストから、ビジネス価値を生み出す価値への転換は、ITへの意識を「削減」から「投資」へと大きく変えた。認識が変われば、経営者のとるべき行動も変わる。実際、IoTを成り立たせる技術の大半は、10年以上前から大学や研究機関でおこなわれてきたもの。しかしそれらが、成熟し安価なものとして普及するようになったことの意義は大きいと森川教授は語る。

まずは一歩、始めることから

そしてIoTのビジネスの例として森川教授はスペイン、バルセロナのお笑い劇場を紹介する。バルセロナのコメディ劇場が導入した「 Pay per Laugh」というシステム。入場料は無料だが、笑った分だけ従量制で課金されるというもの。座席の背面にタブレットデバイスを設置し、カメラで笑いを認識する。仕組みとしてはシンプルだが、話題を呼び、世界中で有名になり来場客も増加した。

このアイデアはシンプルで卓抜だと納得することは簡単だ。しかし、自分のビジネスに引き寄せて考えて見ればどうかと、森川氏は問う。

もしあなたが、劇場の支配人で若い人間がこのアイデアと仕組みを提案したら、どうでしょうか?「面白いけど、無理だ」と言ってはねのけてしまうのではないでしょうか?

笑いを求めてきた客に「笑うことによって課金する」。通常のビジネス感覚としては、リスクがあるといってストップをかけるだろうと。そしてこの「リスクを感じてやらない」ことと「やってみる」ことの差が、IoTやデジタル化のビジネスの命運を分けるのだという。

IoTやデジタル化のビジネスは、始める前に考えてしまうとストップしがちです。まずは何かアイデアが生まれたら「一歩やってみる」ことです。

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