自分に見えるものは、自分の心が“自分に見せている”もの
ハンター:
私のプログラムで行っていることを、哲学的な視点から説明してみましょう。金沢郊外に西田幾多郎の記念館があるのをご存知ですか。そこには、西洋哲学とアジア哲学の違いを表した小さな展示があるんです。まず1つ目の西洋哲学を表す窓を覗くと世界を見ることができます。そして、隣のアジア哲学を表す窓から外を見ると、自分自身の顔が見えるのです。つまり、世界がそう見えるのは、自分の心がそう見せているからというわけです。
新潟でもステキな体験をしましたよ。光と空間のアーティストであるジェームズ・タレル氏が建てた家屋「光の館」に滞在したんです。タレル氏はプログラム全体を通じて、自身のマインドを映し出そうとしています。この建物の一番の見所は、12.5畳の和室に制作された「Outside In」という作品です。その部屋にあつらえた屋根裏の天窓を開くと何が見えると思いますか。