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クリエイティビティ再考

リサーチとデザインの懸け橋になる「リフレーム・インサイト」とは?

ziba tokyo平田智彦と大阪ガス行動観察研究所 松波晴人に聞く(後編)

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 イノベーション、すなわち新たな価値を生み出すための手法やクリエイティブツールが普及し、多くの現場で実践されている。しかしその一方で、成果につながっていないという現場も少なくない。イノベーションにつながらない理由は何だろうか。どうすれば創造的で革新的なアウトプットを出せるのだろうか。そのためにはクリエイティビティの本質を再認識する必要がある。ziba tokyo平田氏と大阪ガス行動観察研究所松波との対談から浮かび上がってくるクリエイティビティ・ワークで陥りやすい3つのポイント。前編では、そのなかで、2つのポイントを中心に議論された対談内容をお届けした。今回は、3つめのポイントとクリエイティブ・ワークに何が必要かを確認していきたい。

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100点主義からはイノベーションは生まれない

 

その3:創造に対する自信を持って、デザインプロセスをワークショップ形式ですすめればよい、というものではない(それ以前の根深い問題がある)

――調査後の分析やアイデア出しなど、ワークショップ形式で進めることがますます増えてきたと思います。より協働・共創的で、クリエイティブなプロジェクトとするために重要なポイントはありますでしょうか。

松波晴人(大阪ガス行動観察研究所 所長):
 100%正しく、誰が考えても同じとなる結論を探すことを100点主義と呼んでいますが、この100点主義からはイノベーションは生まれません。100%正しいイノベーションのアイデアなど存在しないからです。「正しく」を最優先するとイノベーションはおきないということです。

 一方、正解はないのだと気づいていると、自分たちが何をやりたいのかという意志やヴィジョンの重要性を理解し、一緒に考えてくれるビジネス“パートナー”を求めます。クリエイティビティには、このような姿勢・マインドが必要になるのです。

平田智彦(ziba tokyo 代表取締役):
 答えはいつもクライアントの中にあるんですよね。当然、クライアントはその分野について我々よりよく知っているし、蓄積された知見や文化がある。我々が短期間で同じものを身につけられるとは思えません。ただ一方で、クライアントには知識やノウハウは圧倒的にあるんだけど、何が課題かは曖昧で自分たちだけでは気付かないことも多い。デザイナーは元来、課題を見つけ出すのが得意なんです。

 zibaと一緒にやることで、内輪だけでは気付かなかった視点に辿り着いたり、チーム間を横断してワークショップをやることで、「あのチームはこんなこと考えていたのか」と新しい発見があったりする。クライアントにはその柔軟性を持ってもらいたいし、それを引き出すのがzibaなんです。

松波:
 それは行動観察研究所が目指すところと全く同じですね。

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スキルや方法論ではなく、クリエイティビティに対する姿勢・マインドが問われている

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