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天才への「敬意」と「降伏」――表裏一体の感情がもたらす思考停止は「GRIT―やりぬく力」で打破する

書評:『やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける』

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才能という思考停止に陥るな──スキルは「才能×努力」、達成は「スキル×努力」

やり抜く力 GRIT(グリット)やり抜く力 GRIT(グリット)――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
(著)アンジェラ・ダックワース / (刊)ダイヤモンド社

 先に白状しておくと、私は「熱しやすく冷めやすい」と「形から入る」のハイブリッドモデルのような人間です。続いた試しのない日記を懲りもせずに「表紙がかわいいから」という理由で毎年買い続け、ランニングは走る前に「統一感を出したいから」という理由でウェア一式を新調して終了、早起き宣言をした数時間後には目覚ましを止めて二度寝を決め込み、好きな芸能人もコロコロ変わります。

 そんな人間が本書を通して受け取ったメッセージを2つご紹介します。

1:「才能という思考停止に陥るな」と努力様はおっしゃる

 本書の著者アンジェラ・ダックワースは、才能を「努力によってスキルが上達する速さ」と定義しています(P70、最後から3行目)。つまり、彼女の理論において、努力は才能の必要条件なのです。学習曲線を上昇させる速さが間違いなく重要であること、じっさいにそのスピードの速い人と遅い人がいることを認めた上で、それだけでは「達成」の仕組みを説明できないと彼女は論じています。では、達成に必要なものは何なのか。以下の方程式が答えを教えてくれました。

  • 才能×努力=スキル
  • スキル×努力=達成

 これが某少年漫画誌なら、「友情!」「勝利!」と続けたのち、黙って右の拳を突き上げたいほど圧倒的な「努力」の存在感……。努力なしにスキルは得られず、努力なしに達成は語られない。タイトルに冠されている「GRIT」とは、このように「一つの重要な目標(=達成)に向かって、長年の努力を続ける力(P90、最終行)」のことなのだといいます。才能は、その努力を加速させるアイテムの一つでしかなく、ここで最重要視されるべきは「努力」の二文字に尽きるとのこと(このあたりで私は「努力」の袋小路に迷い込んでしまいました)。

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「目的志向」と「快楽志向」の違いをGRITスコアで紐解く

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この記事の著者

渡辺 佳奈(ワタナベ カナ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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