不確実なものに確実なもので対処していると“依存症”になる──安直な解にとは違う、“苦しさを語れる環境”の大切さ
宇田川:今、我々はこれまでの成功法則みたいなものの限界に気づきはじめていて、自分で「問い」を立てて新しいものを紡いでいかなければいけないのだけれど、その新しい物語が誰かに与えられるのを待っているような感覚がありますね。
猪熊真理子さん(以下、敬称略):そうですね。かつては人生においての正解やそこまでのレールが社会に用意されていて、それにうまく乗れば人生が成功するという時代でしたよね。しかし今はもはや何が成功かも、どのレールに乗ればいいかも、レールに乗る必要があるかどうかすらも、わからない時代。自分自身でストーリーを紡いでいくしか、幸せに生き、よりよく働いていく方法はないと思います。けれど、自分で「問い」を立てて、それに向き合って物語を紡ぎ出していくことが可能だと思っていない人の方が圧倒的に多いんですよね。