経営者を知り、道具箱を解体し再構築する「ミドルの役割」とは──ティールを語る前に

座談ゲスト 特定非営利活動法人 場とつながりラボhome’s vi 代表理事 ファシリテーター 嘉村賢州氏、株式会社アクション・デザイン 代表取締役 加藤雅則氏 vol.4

 今回は今年1月に邦訳が刊行されて話題を呼んでいる『ティール組織』の解説者で、早くからその可能性に注目してきた嘉村賢州氏、コーチングや対話型の組織開発により日本の組織を活性化するという課題に長く取り組み、『組織は変われるか』等の著作がある加藤雅則氏を迎えた。「ティール」をきっかけに日本の組織が変わっていくにはどうしたらよいかについて対談した後編。今回は全4回の記事の最終回となる記事をお届けする。

[公開日]

[語り手] 加藤 雅則 嘉村 賢州 宇田川 元一 武井 浩三 [取材・構成] やつづかえり [写] 長谷川 梓 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] ワークスタイル 事業開発 組織変革 組織開発 ホラクラシ― ナラティブ・アプローチ ティール組織

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日本の組織を動かす鍵はミドルからの“経営者への球出し”

加藤雅則氏(株式会社アクション・デザイン 代表取締役、以下敬称略):僕は組織が変化する時の進め方や、仕掛けみたいなものをずっと考えて取り組んできているのですが、日本の組織の場合、ビジョンをバーンと出して「こうやるぞ!」という経営者はあまりいなくて、衆知を集めるという形で経営したいと考えている方が多いです。

日本の経営者はボトムアップが一番効率的で効果的だと信じていて、下から上がってくるのを待っているようなところがあるんです。トップの方から球は出てこないので、誰かが球出ししないといけないんですよ。

誰がそれをできるかというと、特に大きな組織の場合、30代だとちょっと厳しいんですね。組織で起きていることや力学が見えていないところがあるので。僕が期待しているのは30代後半から40代前半の課長さんです。

組織開発でうまくいくのは、まずは「これをやろう!」という主体的でボランタリーな人たちが出てきてワイワイやり、そこから色々なルートをたどってトップにたどり着くというケースなんです。非公式のルートを使って直にトップにたどり着く場合もあるし、それが難しければ常務経由でいくとか。とにかくトップに「こういうことしませんか?」という話を届ければ、「ちょっと話聞こうか?」となり、「ええやないか。こっそり金出したるからやってみ」みたいな話になってオープンに出てくる。そうなると経営企画なんかに話がいって本格化するわけです。

一方でうまくいかない会社は、トップが「下は何も言ってこない」と言うんですね。下は下でみんな高速回転PDCAを回すのに忙しいから、そんなことやっている暇もないし、自分たちにそんなことができるとも思っていません。特に今の40歳前後は就職氷河期の人たちだから、人数が少ないんですよね。中途で入ったりしていると、専門性はあっても会社の歴史や事情が分からないから、下手に動くと良くないと遠慮する。そうすると、球出しする人がいない組織になって、みんな「よくないな、やばいな」と思っていても、そのままズルズル行ってしまうんです。

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