デジタルが可能にする“人が良くあれる”社会システム「Well-being System」が競争優位の源泉になる
アリババの例を紹介してきましたが、彼らのライバルのテンセントも、金融コングロマリットの平安グループも自社の利益追求にとどまらない社会を良くする仕組み作りで競争をしているように見えます。「良く生きると良い生活ができる真っ当なシステム」が競い合う『Well-being System競争による体験志向・貢献志向の社会の実現』が今中国で起きていることの本質なのではないでしょうか。
どういう国を創りたいかという国家戦略のもと、国家主導で金融経済圏を持つアリババ・テンセントなどの大企業がOMO-UX型企業(平安やDiDiなど)を巻き込み競い合うことで「善行を評価する経済システム」が複数存在し高め合う社会システムが生まれているのです。そのシステムの上で、行動規範や道徳が生まれやすい情報環境が作られ、貢献型の顧客志向社会の萌芽が芽生えつつある気がしています。