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宇田川先生が語る、違和感を表に出して語れる関係を作る「アダプティブ・リーダー」が組織変革に必要な理由

『ナラティヴ・アプローチ』ワークショップレポート【前編】

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“知識はあってもできない”、“問題解決ではなく問題解消”を実感する効果

 本講座には、10名のビジネスパーソンが丸一日にわたる講座に参加した。

 全体の進行を担う猪熊氏からは、はじめに今の組織が直面する様々な葛藤の例が挙げられ、それらの問題を「解決するのではなくて、“解消”する」という点が本講座のキーポイントであるという説明がなされた。

タイトル

 問題解消の具体例として、猪熊氏はアルコール依存症という問題への向き合い方を挙げた。アルコール依存の背景には、日常生活における苦しさを紛らわすための問題解決手段としてアルコールに手を出してしまうということがある。この孤独や孤立を何らかの方法で解消し、アルコールそのものを必要としなくすることが問題解消である。

猪熊 真理子猪熊 真理子 氏 | 一般社団法人 at Will Work 理事 / OMOYA Inc. 代表取締役社長 / 女子未来大学ファウンダー
東京女子大学文理学部心理学科卒業。2007年(株)リクルートに入社。「ゼクシィ」や「Hot Pepper Beauty」などの事業で事業戦略、ブランドプロモーション戦略、マーケティングなどに携わる。 2014年2月にリクルートを退職し、3月に株式会社OMOYAを設立。株式会社OMOYAでは、主に女性消費を得意とした、経営・ブランドコンサルティングや企画マーケティング、組織のダイバーシティーマネージメント改革、企業内の女性活躍推進などを行う。

組織においても、「問題があってそれを解決する」ということではなくて、その背景にあるものを理解することによって、その問題自体が起こらないように解消していくということを考えていきます。(猪熊氏)

 続いて3人の講師および参加者同士の自己紹介を行った後、稲墻氏のリードで簡単なワークが行われた。それは、二人一組でAとBの役を決めてジャンケンをするが、Bは必ず後出しをして負けるようにする、というものだ。これを5回繰り返し、役割を交代する。

 わざと負けるのは意外と難しいもので、参加者はかなり苦戦した。5回とも負けられたのは10人中1人だけ。稲墻氏によれば、8割の人は負けようと思っていても思わず勝ってしまうそうだ。

 稲墻氏は、「負け方は知っているのに、できない」というこの体験を通じ、「仕事や人生の中では『知っているからできる』と思ってしまいがちだが、世の中には知っていてもうまくできないことがたくさんある」ということに気づくよう促した。この日の午後に行われたナラティヴ・アプローチを実践するワークショップは、「知っていること」を「できること」に近づける方法のひとつと言えるだろう。

タイトル稲墻 聡一郎氏 | Transform(トランスフォーム合同会社) 共同創業者兼パートナー
大手IT企業、ベンチャー企業役員を経て、2011年に起業。起業しつつ、その後すぐに人生のリセットと留学を思い立ち準備を進め、2015年~2017年まで、ロサンゼルス近郊にあるDrucker School of Management(通称:ドラッカー・スクール)で2年間学び、2017年7月に帰国。同大学院の准教授であり、「Self Management」理論研究の第一人者でもあるジェレミー・ハンター博士、および卒業生の藤田 勝利と一緒に、「Self Management」をベースにしたマネジメントプログラムを提供する会社「Transform」を2018年1月に設立。Forbes Japan Official Columnist、Beta Gamma Sigma 会員

 続いて宇田川氏より、ナラティヴ・アプローチの思想的な背景や考え方についてのレクチャーが行われた。

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ナラティヴ・アプローチは想定外の出来事を受け入れるための実践的研究領域である

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